木熟301出荷

デコポン「木熟301」
糖度15%以上を厳選
農業を子どもが自慢できる職業に  JA紀南は、糖度15%以上の不知火を「木熟301」として、3月下旬から市場販売を始めた。可能な限り樹上で熟成させることによる食味の向上を図り、単価は通常の3倍近くと好調に推移している。
 「木熟301」は、「不知火」を開花から収穫までの期間を301日以上空けるとともに、光センサーで糖度15%以上を出荷基準としており、今35人の生産者が359㌃で取り組んでいる。
 通常の不知火よりも1か月遅れて収穫するため、病害虫や鳥獣害のリスクが高まる。品種特性として雨や寒さに弱く、果皮がデリケートなため、袋がけ等が出荷基準となる。
 今年産は9月以降の雨が少なく、生産者らはこまめなかん水等で減酸に努めた。作柄は小玉傾向であるが糖度が高く、濃厚な味わいに仕上がっているという。
 田辺市上秋津の中山雄史さん(40)は、「木熟栽培を始めて12年。樹勢を弱らせないよう、施肥管理とかん水には特に気を使っている。傷みやすく栽培は難しいが、食味向上を目指し今後も頑張りたい」と話している。
 出荷は関東・京阪神を中心に約15㌧を見込んでおり、4月中旬まで続く。