JA紀南広報誌

2016年9月号p24-02

2016年9月号もくじ

健康百科 第125回  

お年寄りに多い結核
佐久総合病院名誉院長/松島松翠  

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 「結核」は、かつては国民病といわれるほど日本全国に広がっていましたが、その後激減したため、もはや過去の病気と考えている人が多いかもしれません。しかし、実は日本で結核に感染している人は、現在2000万人にも達していると推定されています。
 特に高齢者の感染率は高く、70代で約50%、80代では約70%の人が結核に感染しているといわれます。結核は今やお年寄りの病気といえます。若い年代の感染率は低いのですが、それでも20代の感染率は約2.5%と感染は続いています。
 結核は「結核菌」が体内に入って起こる感染症です。結核を発病し、結核菌を排出している人が、せきやくしゃみをすると、飛沫(ひまつ)と結核菌が周囲に飛び散ります。それを他の人が吸い込み感染します。特に人が多い都会や盛り場では、感染しやすい環境が多いといわれます。感染した人の中で実際に発病するのは1~2割程度です。
 結核を発病すると、まず肺結核になるのが多いのですが、ごく初期には症状がありません。やがて「せきやたんが出る」「微熱が続く」「体がだるい」などの症状が出ます。これは風邪の症状と似ているため、風邪と思って放置されることが少なくありません。さらに進行すると、「寝汗」「体重減少」「胸の痛み」などが起こります。せきやたんが2週間以上続く場合は、医療機関を受診し、検査を受けてください。
 結核は、早期に診断を受け、早めに発見して治療を受ければ必ず治る病気なので、早期発見のために、毎年1回の胸部レントゲン検査は欠かさず受けてください。

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