JA紀南広報誌

2016年8月号p20-01

2016年8月号もくじ

ミカン  

◆仕上げ摘果  

 今年の温州ミカンは、裏年回りだが、園地や木によっては着果過多樹も多くみられる。着果の多い木は、葉数が少ない場合が多く、果実の重みによって枝が下垂してしまい肥大が鈍る傾向にある。そのため、出荷時期と肥大状況をみながら仕上げ摘果を早めに行う。
 着果の少ない木では、着果部が水平から下垂してくる状況や果実肥大を見ながら9月以降に仕上げていく。
 極早生の早期出荷では、L・M級が望まれるため、小玉果や上向きの極大果、日焼け果を摘果し、階級のバラツキを少なくする。

◆品質向上対策  

〇マルチ被覆
 高品質なミカンを生産するために欠かせない資材であるため積極的な被覆を行う。マルチ被覆は、水分ストレスを木に与え減酸を抑え、糖度を上昇させることを目的とするため、被覆後の水分流入には注意が必要である。
 干ばつで水分ストレスが掛かり過ぎる場合は、部分的にマルチをはずして雨を入れるか、灌水も検討する。また、マルチ資材は使用状況にもよるが、3年程度が交換の目安となる。

〇フィガロン乳剤の散布
 マルチ被覆と並ぶ品質向上の対策資材だ。発根を抑制し、水分ストレスをかけることによって熟期促進、糖度上昇、浮き皮の軽減が期待できる。散布は、気温の高い曇天日の朝夕が効果的とされる。なお、樹勢の弱い木への散布は控える。倍数や使用回数など詳しくは営農指導員に相談する。

〇浮き皮対策
 品種・収穫時期・環境条件・樹体の栄養条件によって発生要因は様々だが、この時期の対策としては、果皮組織の強化を促す水溶性カルシウム(セルバインやバイカルティなど)を20日間隔で2~3回散布する。
 また、炭酸カルシウム資材(クレフノンやホワイトコート)には、気孔にその結晶が挟まり、蒸散を促進させることで果実に付着した水分を早く乾燥させ、浮き皮を軽減させる効果がある。

◆灌水  

 早朝から葉が巻き、果実の張りがない場合は灌水を行う。特に極早生では極度の水分ストレスは肥大を鈍らせ、酸度が下がらず出荷時期が遅れてしまう恐れがあるため適期を逃さないよう注意する。
 通常の灌水では10日間隔程度で雨量換算で10㍉程度必要となるが、品質管理として行う場合は3㍉で状況を見ながら行う。

〇中晩柑の灌水
 「不知火」では収穫時期の酸度が高く適期収穫できない場合があるため、晴天が7日以上続く場合は、積極的に灌水を行う。灌水量は園地条件や乾燥状況にもよるが、雨量換算で3㍉程度とし、場合によっては10㍉程度行う。

◆病害虫防除  

〇黒点病
 マンネブ、マンゼブ剤での防除が主体で、降雨量が200~250㍉、または20日間隔程度を目安として行う。この時期は、秋口の後期感染の対策として行う。収穫の早い極早生がある場合は、薬剤の収穫前日数に注意する。

〇チャノキイロアザミウマ
 近年のチャノキイロアザミウマの発生は、6月に虫の密度が高い傾向だが、晴天が続く場合などには発生回数も増えるため、10月頃まで注意が必要となる。

〇ミカンハダニ
 園地が乾燥し、秋に向けて気温が下がってくるとハダニの発生が心配される。この時期は、初期防除に努め、卵・幼虫への効果の高い薬剤を選択する。

〇カメムシ
 年により発生状況が異なるが、8月下旬頃、果実の色抜けが進む頃から被害が発生する。台風通過後など飛来が増える傾向にあるため注意が必要である。
  (三栖谷営農室・三谷秀彦)

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