JA紀南広報誌

2016年7月号p12-01

2016年7月号もくじ

ミカン  

◆温州ミカンの摘果  

 摘果により、着果過多樹の樹勢を維持して隔年結果を抑え、収穫時の品質(大きさや糖度等)のバラツキを少なくする。
 平成28年産の温州ミカンは裏年にあたるが、園地や木によって着果にバラツキが見られる。着果の少ない木は摘果を急がず、8月下旬からの後期摘果に重点を置く。着果過多樹や極早生では、肥大促進や階級のバラツキを少なくするため、遅れないように摘果する。
 摘果は、まず樹冠内部(フトコロ果)や樹冠下部(スソ果)の果実を落とす。これらは肥大が進まない、着色が遅い、糖度が上がらない果実である。その次は、ブドウのようになっている果実や病害虫被害果を間引く。摘果のサイズの目安は表1を参考にする。

◆品質向上対策  

○マルチ被覆
 マルチ被覆は、被覆率を高め、被覆時期を早めることにより、早くから水分ストレスをかけ糖度の上昇を早め、反射光による着色向上も期待できる。着果の少ない木でも、品質向上にはマルチ被覆は重要である。被覆時期は、極早生で7月上旬、早生・木熟では8月上旬頃を目安に作業を進める。
 天候や園地条件により極度の水分ストレスがかかる園では、灌水が必要な場合もあるため、肥大や品質をこまめに確認する。

○フィガロン乳剤の使用
 品質向上対策として、フィガロン乳剤の散布が効果的である。フィガロン乳剤は熟期促進以外にも発根や根の吸収機能を抑制することで水分ストレスを与えるため、糖度の向上にも効果がある。
 熟期促進のみを目的に使用する場合は、第1回目は満開後50~90日後、第2回目は満開後70~110日後(だたし収穫14日前まで)。3000倍で10㌃当たり300㍑を目安に葉先から滴り落ちる程度に散布する(他剤と混用する場合は5000倍)。
 なお、樹勢の弱い木や品種、極端な干ばつが続いている場合は散布を控える。温州ミカンの総使用回数は4回以内。1000倍希釈の場合は2回以内とする。

◆病害虫防除  

○黒点病
 黒点病は樹上の枯れ枝や園内に放置された剪定枝が発生源となり、降雨のたびに病原菌が葉や果実に感染するため、園内の枯れ枝を除去することが重要だ。防除はペンコゼブ水和剤(600倍・30日前まで・4回以内、中晩柑は90日前まで・4回以内)、またはエムダイファー水和剤(600倍・60日前まで・2回以内、中晩柑は90日前まで・2回以内)を散布する。
 黒点病の防除は基本的に20~30日間隔での散布だが、降雨量が200~250㍉に達した場合は前回散布からの日数にかかわらず、次回の防除を行う。降雨量はJA紀南のホームページ内の気象ロボットデータ配信で地域ごとの量が確認できる。

○ロウムシ・カイガラムシ類
 温暖化の影響で幼虫の発生が前進化傾向にある。7月上旬の幼虫発生適期を逃さないようにスプラサイド乳剤(1500倍・14日前まで・4回以内、中晩柑は90日前まで・4回以内)で葉裏にもかかるよう丁寧に散布する。

○高接ぎ・苗木の新梢管理
 樹冠拡大には、夏芽をしっかり伸ばし充実させることが大切だ。ミカンハモグリガやアブラムシの発生を確認次第、モスピラン顆粒水溶剤(2000~4000倍・14日前まで・3回以内)等を散布する。(三栖谷営農室・栗栖昌央)

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