JA紀南広報誌

2016年5月号p07-01

2016年5月号もくじ

きずな  

会 長 中家 徹  

 農業、JAともに多くの課題をかかえた中、平成28年度(2016年度)がスタートしました。
 昭和22年11月の農協法公布から69年近く経った今年4月、JA(農協)の根幹にかかわる事業運営原則や理事構成、准組合の事業利用規制等々、かつてない大幅改正となった農協法が施行されました。
 現場の実状を無視し協同組合を否定した改正農協法で、今もなお納得できない内容ですが、施行された以上、私たちはそれに対応しなければなりません。
 JAグループ和歌山は昨年11月にJA大会を開き、法改正を意識して農業振興と地域活性化を最大の課題とした向こう3カ年の取り組み事項を決定しました。
 28年度はその実践初年度ですが、5年後の准組合員の事業利用規制問題もあり、非常に重要な年度となります。

初の人口減少と首都圏集中  

 そんな中、今年2月、総務省が2015年国勢調査の速報値として、日本の総人口は1億2711万人と発表しました。10年前より約94万人減り、1920年の調査開始以来、初めての人口減少となりました。
 日本の人口のうち首都圏(東京、埼玉、神奈川、千葉)の人口は3600万人余りで、28・4%を占めています。大半の道府県が減少する中、首都圏だけは増加の一途で、ますます一極集中は進み、異常な状態となっています。
 和歌山県も1982年の109万人余りをピークに2011年には100万人を割り、今回の調査では96万3850人まで減少しており、今後も引き続き減少することが予想されます。
 ちなみに東京・世田谷区は90万人を越え、2040年には100万人を越えるようです。
 先日発表された土地の公示価格を見ても、全体的には相変わらず、都市部は上昇、地方は下落という構図で、ますます格差が拡大しています。
 そう言えば、一昨年5月、日本創成会議が「2040年までに20~30歳代の女性人口が半減し、1800余りの自治体のうち896の自治体が消滅する可能性がある」とのショッキングな発表をしたことを思い出しました。和歌山県も約4分の3の市町村が消滅する可能性があるとされているのです。
 対策として国は、地方創生本部を立ち上げ、総合戦略を作り、平成28年度からその施策を実践することになっています。しかし、果たして「首都圏の人口集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、それぞれの地域が特長を生かして、自律的で持続的な魅力ある地方を築く」という目的を達成することができるのでしょうか。

地方創生、JAの役割は大きい  

 過去半世紀にわたり、国は国土の均衡ある発展を目ざしさまざまな施策に取り組んで来ましたが、成果はなく、逆に悪化しています。
 グローバル化の名のもと、すべてを画一化し、多様な価値観や地方の良さ、特長を否定して、何でも競争にさらし、市場原理を追求するということが最良の社会であるという認識では、地方創生は絵に描いた餅になりかねません。
 地方が元気にならなければ日本の発展はないのです。
 和歌山県の場合は、何と言っても農林水産業の第一次産業が元気にならなければならず、そのためには、第一次産業に従事する皆さんの安定した所得確保が最も重要で、私たちJAにとっては農業者の所得増大が最大の課題です。
 その意味でも、JAが地方創生に果たす役割は非常に大きいものがありますが、一方では人口減少など、如何ともし難い地方を疲弊させる社会経済の構造的な潮流があります。
 JAの力だけでは限界もありますが、JAグループあげて県大会決議の実践に取り組み、地方創生に全力を傾注し、よりJAの存在価値を高めてまいりますので、組合員の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申しあげます。

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional