JA紀南広報誌

2016年2月号p24-02

2016年2月号もくじ

健康百科 第118回  

中高年の尿漏れ
佐久総合病院名誉院長/松島松翠  

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 何かのきっかけでおなかに力が入り、腹圧が高まったときに尿漏れすることがあります。例えば、せきやくしゃみをしたとき、大笑いしたとき、重い物を持ち上げたとき、スポーツをしているときなどに起きます。これは「腹圧性尿失禁」と呼んでいます。女性の尿漏れの中で最も多いとされています。
 なぜ尿漏れするのかというと、膀胱(ぼうこう)や尿道、子宮などを下から支えている「骨盤底筋」という筋肉の集まりがあり、これが妊娠や出産、加齢などで緩んでくるためです。
 治療には骨盤底筋の筋力を強める骨盤底筋体操があります。膣(ちつ)や肛門の筋肉を10秒ほどキュッと引き締めたら、パッと緩めて数十秒リラックスします。これを10回繰り返すのを1クールとして、毎日5クール行います。
 もう一つの尿漏れに「切迫性尿失禁」というのがあります。これは、急に強い尿意が起こって、トイレに行くのが間に合わなかったり、トイレで下着を下ろしている最中に尿が出たり、また調理で冷たい水に触れたとき、冷蔵庫を開けたときに反射的に尿意が起こり、尿漏れを起こすというものです。これは膀胱が過敏になり、少し尿がたまったり、ちょっとした刺激を受けただけで急に膀胱が反応して収縮し、強い尿意が起こり、我慢できず尿が漏れてしまうもので、「過活動膀胱」と診断されます。
 治療には、膀胱訓練というのがあります。トイレに行きたくても15~30分我慢して、排尿の間隔を開けるようにします。実際には膀胱がまだ尿でいっぱいになっているわけではありませんので、焦らずに我慢していると、収縮していた膀胱も緊張が緩み、尿意切迫感が落ち着きます。

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