JA紀南広報誌

2016年12月号p08-02

2016年12月号もくじ

 

 梅は12月中旬頃になると、自発休眠が終了し蕾が徐々に膨らみ始め、発根が活発化する。近年は、秋の気温が高い影響もあり落葉は遅い傾向だが、余分な貯蔵養分を使わないためにも剪定作業は遅れずに進めよう。

◆整枝・剪定  

 梅の整枝・剪定は、品種、収穫用途別に整枝・剪定を考えること。
 主力品種の「南高」では、青果で収穫する園とネット収穫する園では整枝方法はやや異なる。青果収穫では、果実に手が届くよう枝を配置することを心がける。剪定時に、脚立に乗っても手が届かない枝は、収穫時も届かない。下枝も作業性を考慮して配置する。その時、脚立を立てる場所を想定しながら枝を配置しなければ収穫時の効率が悪くなる。ネット収穫の園は、果実が熟して落下する時、ネットに落ちる前に果実が枝に当たって傷つくことのないよう整枝することが重要だと言える。
 「古城」は青果収穫の品種であり「南高」の青果収穫と同様に整枝するが、紅が着くことが敬遠されるため枝の整理のし過ぎに注意する。樹勢は強い方であるため、切返しは控え、間引き中心とする。
 小梅は、自家結実性が強く小玉になりやすい傾向にある。そのため、切返しによる着果制限をして、大玉生産を目指す。授粉樹としての役割を重視する場合は、5割程度の剪定にとどめ、開花終了後に仕上げ剪定を行うのも一つの方法である。

◆土づくり  

 秋口から年内にかけて土づくりの適期だ。梅は石灰を好むため、pH調整(6・0~7・0)を含めて、土壌分析などを参考に基準に従って施用する。近年は、夏場の乾燥が強く、細根が痛んで樹勢低下してしまう木が見られるため、完熟堆肥を10㌃当たり2㌧以上施用し、保水性、保肥性の向上を図る。

◆病害虫防除  

〇越冬病害虫
 越冬病害虫の密度を抑制するため石灰硫黄合剤を散布する。
 最近よく見かけるこうやく病は、発生したカイガラムシの排泄物や分泌物が栄養源となり繁殖するとされているため、生育期の殺虫剤防除も重要となる。
 また、黒星病などが多く発生した園では、生息密度を下げるために重要な防除と言える。なお、石灰硫黄合剤に弱い品種(皆平早生等)への散布は控える。またICボルドーを散布している場合は、2週間以上散布間隔を空ける。

〇白紋羽病対策
 梅の二代畑で菌密度が増え、発生するケースが見られる。薬剤防除は、フロンサイドSCの500倍を樹幹から半径1㍍範囲に1樹当たり50~100㍑土壌潅注する方法がある。樹勢が明らかに低下している木は、回復に向かっても収穫直前に果実が落果する例が見られるため、症状が重い場合は植え替える方が良い場合がある。(三栖谷営農室・三谷秀彦)

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