JA紀南広報誌

2016年1月号p12-01

2016年1月号もくじ

ミカン  

 平成27年産の温州ミカンは、7月下旬から8月中旬まで約20日間の干ばつが続き、果実肥大は鈍ったが、糖度・酸度は高めに推移し、味に期待を持たせた。しかし、その後、雨天が続き糖度上昇を抑え減酸が早く進んだ。11月以降の早生ミカンも、収穫期には平年より温度が高く、雨天後に浮き皮、果皮障害、腐敗果の発生をもたらした。このような天候不順の状況は、今後も課題になると考えられ、通常の対策以外に早い時期からの技術対策を講じる必要がある。

◆樹勢回復
 毎年安定して結実させるには収穫後の樹勢回復対策が重要だ。収穫後から1月中旬までにチッ素主体の葉面散布(尿素、あざやか等の500倍液)を7~10日間隔で3回程度行い樹勢回復に努める。

◆防寒対策
 常緑果樹は落葉果樹に比べ耐寒性が弱く、毎年寒害を受けるような園地では防寒対策が必要だ。樹勢回復対策とあわせコモや寒冷紗などで樹体を覆うのが効果的だ。

◆密植園の間伐
 高品質・安定生産を目指すには、独立樹にして受光環境を良くする必要がある。特に密植園は作業性が悪く、薬剤散布をしても樹全体に薬剤がかかりにくい。また、マルチを被覆しても反射光が鈍くなる。いま一度、園内を確認し園相の改善に取り組もう。量より質を求められていることを理解すれば一番の優先事項となる。

◆土づくり
 健全な細根を多く発生させ、樹勢を維持しながらコントロールするのが、安定収量と高品質生産の必須条件だ。作業は大変だが、隔年結果防止対策の取り組みとして土づくりは重要である。
 方法として、1樹当たり4カ所の穴を掘り(1穴は幅30㌢、長さ50㌢、深さ30㌢程度)、プロ有機5㌔、BMヨーリン0・3㌔を土と混和しながら埋め戻す。同様に2年目は穴の位置をずらして処理する。これら資材は一例だが、一樹でも多く実施しよう。

◆病害虫防除
 平成27年末に機械油乳剤でハダニ防除をできていない園は、1月中旬までの暖かい日を選び、機械油乳剤95の45倍で樹幹内部や葉裏などに十分かかるように散布する。ただし、樹勢が弱った木や、寒さの厳しい園は落葉を助長させることがあるため、春先のアタックオイル散布とする。
(中央営農室・辻本清孝)

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