JA紀南広報誌

2016年1月号p11-01

2016年1月号もくじ

きずな 会長 中家 徹  

 新年明けましておめでとうございます。
 年齢を重ねるにしたがって、年月の経つのが早く感じると言われますが、もう正月かと、まさに「光陰矢のごとし」であります。
 ちょうど一年前、この「きずな欄」で、未年(ひつじどし)の過去を見ると、新しい時代のきっかけが起きる年で、時代の転換点となっている年が多いということを申しあげましたが、JAと農業にとって平成27年の未年はまさにその通りであったように思います。

「農協法改正」28年4月施行へ  

 それはJAにとっては、農協発足以来の農協法改正案が可決決定されたことであり、農業にとってはTPP交渉が大筋合意され、かつてない市場開放が進もうとしていることです。
 農協法改正は、協同組合や現場の実態を全く無視した規制改革会議からの農業改革に対する意見が発端となっており、一年余りにわたる議論を重ねてきましたが、最終的には私たちの疑念が払拭されないまま可決し、平成28年4月に施行されることになりました。
 主な改正内容は、非営利規定を廃止し、農業所得増大に最大限の配慮をするという事業運営原則を変更し、理事構成の見直しや公認会計士監査の義務づけ、中央会制度の廃止、JAや連合会の組織変更が可能になることなどに加え、准組合員の事業利用規制のあり方については、5年間の事業利用状況や改革の実施状況を踏まえて結論を得るとされました。
 主に以上のような改正ですが、それぞれのことが農業改革の本来の目的である農業者の所得増大とどう結びつくのか、十分な説明がされていません。

TPPはかんきつ農家にも影響  

 またTPPについては、平成22年、当時の民主党の管政権がTPP参加の意向を示し、その後、政権復帰した自民党が25年2月の日米首脳会談で「全ての関税撤廃を約束するものではない」との共同声明を受けて、交渉参加を決断しました。
 その後、JAグループは日本農業の根幹をなす、米、畜産など重要5品目を関税撤廃の例外とするよう運動を展開してきましたが、27年10月5日に大筋合意がされました。
 その合意内容が明らかになり、重要5品目ばかりに目が行っていましたが、果実や野菜も大半が関税撤廃ということで、果樹園芸中心の和歌山県農業への影響が大変懸念され、とりわけオレンジの関税撤廃はかんきつ農家への影響が心配されます。
 そのために影響を受ける農家への対策について、経営安定対策など幅広く、地元選出の国会議員等に再三にわたり強く要請をしてきました。
 国は対策をとりまとめた政策大綱を発表しましたが、まだまだ具体的ではなく、そして裏付けとなる予算措置も見られない中では何とも言えませんが、農家が将来に展望の持てる、そして一時的ではなく、恒久的な支援対策でなければなりません。注視をしてまいりたいと思います。
 JA・農業にとって転機となる農協法改正とTPPの大筋合意は、いずれも私たちにとっては理解のしがたい、矛盾に満ちたものであります。そして、その根っこは同じであるような気がしてなりません。

力強い農業へ県JA大会開く  

 そんな中、平成27年11月に3年に1度の和歌山県JA大会を開き、「力強い農業」と「豊かな地域」の創造を主題として、「地域農業の振興と農業所得の向上への挑戦」など、5つの重点実施事項を決議するとともに、あらためてJAは「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」であることを確認しました。
 農協法改正とTPP大筋合意という2つの大きな出来事を踏まえての県大会であり、組合員の皆様の理解と協力も得ながら、まずは実践することが重要であります。
 平成28年は申年で、「申(サル)」が「去る」という意味を表し、「悪いことが去る」「病が去る」など、いいことや幸せがやって来る年という一説があります。
 課題山積の環境ではありますが、JA・農業はもとより、皆様にとって、幸せがやって来る素晴らしい一年であることをご祈念申しあげます。

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