JA紀南広報誌

2015年12月号p24-02

2015年12月号もくじ

健康百科 第116回  

海外旅行と感染症
佐久総合病院名誉院長/松島松翠  

 海外旅行中の症状として、最も多く見られるのが「下痢」で、旅行者の30~50%が経験しているといわれます。これを「旅行者下痢症」と呼んでいます。
 主に東南アジアやアフリカなどの熱帯や亜熱帯地域に旅行した場合、起こりやすいといわれます。病原体で多いのは、日本でも食中毒の原因になる大腸菌やサルモネラ菌で、その他に数は少ないのですが、赤痢菌やコレラ菌もあります。いずれも旅行先での水や食べ物を介して経口感染します。
 欧米諸国などの衛生管理が行き届いている国では、まずその心配はありませんが、ホテルから外へ出て、屋台などで自由に飲んだり食べたりするときは気を付けなければなりません。
 予防上の注意としては、旅行中は生水、生もの、生野菜には一切手を出さないことです。水道水も駄目で、水はきちんと瓶に入ったミネラルウオーターにします。うっかりしがちなのは、ウイスキーの水割りやジュースなどに入っている氷です。あらかじめ氷は不要と告げ、入れないようにします。
 生の野菜は洗ってあっても、その洗う水自体が汚染されている可能性があり、従ってサラダは避けた方が無難です。また果物も自分で皮をむいて食べるのは構いませんが、すでに皮をむいてある場合には手を出さないことです。
 屋台などの食べ物は、食べ物自体には火が通っていても、器に雑菌が付いていることがあります。また生の魚介類や生肉には細菌や原虫がいたり、ウイルスが付いていることがありますので、手を出さないことが無難といえましょう。
 食べ物以外では、蚊に刺されてデング熱などに感染することがあります。しかしこれは蚊が多い夏の話で、秋から冬にかけては心配いりません。

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional