JA紀南広報誌

2015年11月号p10-03

2015年11月号もくじ

コラム  

時間短縮か、景観か
日置支所長 丸山 清司  

 紀勢自動車道がわかやま国体を前に8月30日、すさみまで開通した。この道は京阪神と紀南地方を結び、移動時間の短縮、災害時の代替えルート、観光客の増加、地域経済の活性化などに期待されている。
 災害時の代替えルートという面では、以前、国道42号線が東日本大震災で紀南地方にも津波警報が発令された時、白浜町の美草でタンクローリー車が横転したことで通行止めになって、多くの車が迂回路を求め混雑したことは記憶に新しいと思う。
 私は今年4月から日置支所配属となったが、自動車道開通までは国道42号線を約40分かけて通勤していた。海釣りが趣味で、串本方面にもよく釣りに出掛けているので、走り慣れた道路でもあり、通勤時間の長さは気にならなかった。むしろ通勤途中に見える海の景色が気分転換につながった。
 自動車道開通後は新しい道を利用しており、時間は約15分短縮され利便性は強く感じている。この道を利用したほとんどの方は、移動時間が短縮された、トンネルが多いということを口にする。
 確かに、白浜ICからすさみICまではほとんどがトンネルで、国道42号線が紀伊半島の海岸線を走り、自然環境を満喫できるのに対し、新道路ではその地域の景観なり、風情なりを感じることはあまりできない。
 だが、地域の景観、風情を選択するか、移動時間の短縮を選択するかとなれば、後者を選択する人の方が多いのではないかと思う。そういう私も開通後は移動時間の短縮を選択しているし…。
 紀南地方には多くの観光地があり、国道沿いには、道の駅椿はなの湯、道の駅志原海岸、道の駅イノブータンランド・すさみ等の施設が建設されている。
 その施設沿いの交通量が減少しているところではあるが、これから秋の行楽シーズン、磯釣りシーズンに突入する。時間に余裕のある方、自然環境を満喫されたい方は国道を利用され、地域経済の活性化につなげてほしいと思う。
 時間に追われ、時間短縮が重要視され、食生活ではファストフードが飽和状態の時代である。時には時間を贅沢に使う、心に余裕のある生活を送りたいものである。

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