JA紀南広報誌

2015年10月号p24-02

2015年10月号もくじ

健康百科 第114回  

漢方薬との付き合い方
佐久総合病院名誉院長/松島松翠  

 現在の西洋医学の発展は目覚ましいものがあります。例えば、抗生物質剤の発見や、臓器移植技術の進歩など、私たちの健康に大きく貢献しています。しかし、その西洋医学の技術をもってしても治らない病気や症状はまだたくさんありますし、また西洋医学で治りにくい病気や症状の中に、漢方が効果的な場合もかなりあります。
 そうかといって、全ての病気に漢方が効果があるとはいえません。漢方にも西洋医学にも得意分野と不得意分野があります。しかし、漢方の不得意分野の病気に対しても、漢方での治療にこだわる人がいるのには困るという声があります。
 それぞれを上手に使い分けることで、より良い効果を挙げたいものです。漢方の長所や効果を過大に評価してはいけませんし、また薬の副作用など、西洋医学の欠点を誇張する必要もありません。それぞれの優れた面を利用しながら、欠点を補い合うという役割分担を考えてください。
 漢方薬は、飲む人の証(しょう)に合わせて適切に選びます。漢方薬を選ぶのは専門性の高い仕事で、治りにくい病気の人は、専門家とよく相談して自分に合った漢方薬を探すとよいでしょう。漢方が適する病気のほとんどは、漢方薬だけで十分に対応できます。少数の例外を除いて、健康食品やサプリメントを利用する必要はありません。
 マスコミなどで突然話題になるような漢方薬や生薬(しょうやく)に飛び付くことは控えましょう。良い薬もありますが、過去の例では、一時的な流行で終わったり、あまり価値のないケースがほとんどでした。専門家によく相談して吟味しましょう。

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