JA紀南広報誌

2015年10月号p03-01

2015年10月号もくじ

農を耕し、地域を起こす『農人』【No.27】  

梅干し作業に励む坂本旭さん。3歳、六か月の2児の父親。趣味は釣りで、職員時代も組合員と釣りの話に花が咲いたという

田辺市秋津川
坂本 旭 さん

 生まれ育った地で、JA職員の仕事を経て就農した坂本旭さん。父に付いて「まだまだ勉強中!」の身だ。JA青年部にも触れ、地元の支部創設にも関わった。現在青年部長。活動を通じての仲間づくりの意義を実感している。

「皆が楽しく!」、協調重視
JA職員を経ていま青年部長  

 平成21年4月に就農し、早7年目になる。それまでは高校を卒業後、11年間、JA紀南の職員として働いた経験を持つ。
 農業経営は梅3㌶、水稲20㌃だ。梅の生産では遅場地帯に位置する秋津川であり、梅のほとんどを自家漬けで梅干しに加工し、一部はJAに加工用で出荷する。
 梅園地のメインは地元の秋津川パイロットだが、この造成地が完成した平成時代の初頭、紀南地方で梅生育障害が発生し、このパイロットでも、定植したばかりの梅が次々と枯れる被害が出た。
 父の学さんが衰弱、枯死した梅の木を黙々と植え替える姿を間近で見てきた。その梅も現在は健全に生育しており、「梅を安心して作りたい」という梅農家の気持ちは旭さんにしっかり受け継がれた。
 一方、梅が順調に生産できるようになった今、梅干しの価格が以前よりも低下しているが、坂本さんは「自分が選んだ道だ」と農業に打ち込む決意を固めている。
 30歳での就農から丸6年。JAに勤めていた頃にあった農業のイメージも、実践すると、「気楽な感じもしていたが、天候にも左右される。年中やることが多いのにも驚いた」。年間の農作業や技術面のことは、「日々、父から学ぶ日が続いている」と言う。
 坂本さんは今年4月にJA紀南青年部の部長に就任し、県内最大の部員179人がいる大所帯を任された。自身が所属する秋津川支部は、それまで青年部の支部の無い地区だったが、地元に5人の後継者がまとまったことから、5年前に創設された。坂本さんも地元に同年代の農業の仲間がいることを心強く思っている。
 秋津川支部の支部長、本部の副部長を経ての部長。これまで関わってきた青年部組織について「地元はもちろん、他の地区の同年代の後継者と農業の話をし、交友関係を持てるのが魅力だ」と語る。
 そのため青年部では支部間の部員交流を活動の柱に掲げている。
 歴代部長は、青年部という若い世代でしかできない活動を常に模索してきたし、坂本さんもそのスタンスは変わらないという。ミカン・リンゴでつながった青森のJA津軽みらいとの交流も続いており、昨年は青森に出向いてきた。
 青年部はJAの梅宣伝キャラバン隊にも毎年参加しており、坂本さんも2年連続で梅シーズンに量販店の店頭に立ち、本場の梅の加工方法をPRした。「このように普通に家で農業する以外に、外に出て、人に触れ、自分の経験を積める」と青年部の良さを語る。
 本部活動の目玉として、毎年の年度末(3月頃)に、JA職員との交流会を開いている。青年部員と女子職員合わせて約80人が集まり、ボウリングや食事会を楽しむ。今年度で3年目になるが、特に若手の部員から大好評。「JAの職員さんも大勢参加してほしい」と坂本さんは呼びかけている。
 「人前で喋るのが苦手。部長としてあいさつするなんてとんでもないと思っていた」と坂本さん。おとなしく、木訥(ぼくとつ)に見える分、「皆が楽しく」と、部員の協調を重視した青年部運営を目指している。(文・写真=山本和久)

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