JA紀南広報誌

2014年8月号p10-01

2014年8月号もくじ

かんきつ  

◆仕上げ摘果  

 今年産の温州ミカンは全般的に裏年回りで、園地・木によるバラツキが大きい。着果過多樹や極早生などは、肥大促進や階級のバラツキを少なくするため、摘果ノギスと摘果の目安表を参考にして、仕上げ摘果を行おう。着果量の少ない木は摘果を急がず、生育状況や気象等を見ながら9月以降での後期摘果を行う。

◆品質向上対策  

○マルチ被覆
 マルチ栽培に適した園地では、積極的にマルチ被覆をして、高品質生産に努めよう。極早生のマルチ被覆はすでに完了していると思うが、早生ミカンでまだの園地は8月中旬までに被覆する。また、被覆後の管理を適切に行わないと効果が得られない場合があるため、被覆後も雨水が流入していないか、強風等でめくれていないかを確認し、不十分な場合は補修や排水対策等を行う。被覆方法は、品種・園地条件によって変わるため営農指導員に相談する。

○フィガロン乳剤の散布
 品質向上のためにフィガロン乳剤の散布を検討しよう。フィガロン乳剤は、樹体に水分ストレスをかけるホルモン剤で、熟期促進、糖度向上等の効果が期待できる。
 1回目の散布は、満開50~90日後、2回目は1回目から20日後を目安に満開70~110日後。それぞれ3000倍で10㌃当たり300㍑散布する。ただし、混用散布する場合は5000倍とする。総使用回数は4回以内、1000倍希釈での散布は2回以内、収穫14日前までとする。樹勢の弱っている木は使用を控える。

○浮き皮対策
 浮き皮は10月下旬頃から始まり、降雨や湿度が高いと助長されやすい。果皮組織を強化するため水溶性カルシウムの散布に取り組もう。セルバイン300倍を8月下旬から10月中旬(生理落果終了から着色期)までに20~30日間隔で2~3回散布する。

◆灌水  

 過度の乾燥は樹勢を低下させ、収量や品質にも悪影響を及ぼすため、朝から葉が巻き垂れている、または果実が軟らかくなっている場合は早急に灌水を行う。極早生は果実肥大や減酸促進のため収穫1カ月前に酸度が2%以上の場合は雨量換算で3~5㍉程度行う。早生は8月下旬~9月上旬に酸度が急減する時期となるため、状況を見ながら灌水する。なお、一度に多量の灌水をすると品質低下を招くため、1樹当たりで30~50㍑とする。

○中晩柑の灌水
 「不知火」は8月にクエン酸のピークを迎える。この時期に土壌水分が不足すると果実肥大の鈍化や酸高の原因となるため、降雨を待つのではなく、晴天が7日以上続けば雨量換算で3㍉を目安に灌水を行う。

◆病害虫防除  

 温州ミカンと中晩柑では、農薬の登録内容が異なる薬剤もあるため、必ず使用基準を確認する。隣接園への農薬飛散にも注意する。

○黒点病
 8月の黒点病防除は後期感染を防ぐために重要だ。前回の散布から降水量が200~250㍉、また降雨がなくても約1カ月を目安に防除する。防除薬剤は、ペンコゼブ水和剤(600倍、温州ミカンは30日前まで・4回以内、中晩柑は90日前まで・4回以内)を散布する。収穫時期の早い品種は、使用基準(収穫前日数)に注意する。

○チャノキイロアザミウマ
 果実への寄生は、5月中旬から始まり10月上中旬まで長期間にわたるため注意する。発生源は防風樹(マキ、サンゴジュ)からの飛来が多く、乾燥・高温などの条件でも発生しやすい。防除はコテツフロアブル(4000倍・前日まで・2回以内)を散布する。防風樹への散布も一緒に行う。

○ミカンハダニ
 8月以降の発生は果実にも寄生し外観品質を損なうため注意する。園内を見回り一葉に平均で2~3匹の発生が見られた場合は防除する。防除薬剤は、ダニエモンフロアブル(4000倍・7日前まで・1回以内)を散布する。サビダニとの同時防除が可能である。

○カメムシ
 今年も8月から9月にかけての多発が予想される。園内を見回り発生が見られた場合は防除する。台風通過後もしばらく飛来が多くなる傾向のため注意する。防除薬剤は、テルスター水和剤(1500倍・前日まで3回以内)、または、MR.ジョーカー水和剤(2000倍・14日前まで・2回以内)。収穫時期の早い品種は、使用基準(収穫前日数)に注意する。

○褐色腐敗病
 褐色腐敗病は、雨によって土壌中の病原菌が果実に付着して発生し、発病果や土壌との接触によって伝染する。集中豪雨や台風通過後に多発する。防除薬剤は、ランマンフロアブル(2000倍・前日まで・3回以内)を散布する。 (三栖谷営農室・谷本三佐行)

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional