JA紀南広報誌

2014年6月号p22-01

2014年6月号もくじ

こもれび  

稲成茄子
榎本 久美子(田辺市稲成町)  

 我が家では、毎年丸茄子(稲成茄子)を作っています。この丸茄子は、義父が生まれる前から家で種を取り続けてきた丸茄子だと聞いています。
 稲成の荒光では大勢の人が作られていたのですが、今では4件ぐらいの家でしか作られなくなったみたいです。
 昨年までは義父が種蒔きをしていたのですが、今年は種蒔きは旦那と息子が温度管理ができるように2人で取り組んでいます。ちゃんと苗が育っているか心配で、毎日ハウスの中を見に行っています。
 7月に入ると少し収穫することができ、台風などでやられなければ10月頃まで収穫できます。昨年は病気や虫に悩まされましたので、今年は病気や虫たちに負けないよう、色んな工夫をしていきたいです。
 私が初めて丸茄子を食べたのも、見たのも、この稲成に嫁に来てからでした。何も知らない私だったので、義母から「この稲成茄子は巾着の形をしていてトゲがなく、アクがなく、そのままアク抜きしないですぐ使えるから楽なんやで」と教えてもらいました。
 分厚く切って蒸し焼きにして、金山寺や甘味噌をのせ、一口サイズに切って、平天やあげを入れて一緒に煮込んで、仕上げにそうめんを入れて、アツアツでも冷蔵庫で冷やしてもおいしいよ。油で揚げてポン酢をかけたり、酢味噌でも良し。
 我が家での一番好評なのは、丸いままで火が通りやすいように切り込みを入れ、蒸したものです。できあがったら生姜醤油で食べます。レンジでラップをかけて簡単にできます。
 この茄子は金山寺味噌にも使います。はっきりとは分からないのですが、百年前ぐらいから金山寺味噌が作られていて、その時からここ稲成の荒光では作られていたと聞きました。
 ちなみに湯浅の金山寺味噌には湯浅茄子が使われていて、形はよく似ているそうなのですが、トゲがあるそうです。一度湯浅茄子と稲成茄子を見比べてみたいです。
 そして我が家で忘れてはいけない粕漬けです。粕漬けは、義母が婦人部で活躍していた時、皆さんで協力し、工夫してできたものだと聞いています。
 母が病気で出来なくなるまでは、毎年義母と近所の友だちとで塩押しをして、一週間後には本漬けをしていました。
 義母が亡くなる前に、義母の同級生の友だちから「ちゃんと教えてもらって作りよしよ」と言ってもらい、旦那と息子の3人で義母に教えてもらいながら、初めて作りました。
 塩押しをして1週間後には本漬けをするのですが、絞りすぎると中が飛び出してきたり、絞り足らないと酸っぱさが出てきてしまうので、「絞り方で粕漬けのおいしさが決まってしまうよ」と教えてもらいました。
 まだまだ義母のようにはできませんが、毎年作っていきたいです。Aコープや紀菜柑で見つけることができると思いますので、ぜひ一度食べてみてください。
    (稲成店管内)

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