JA紀南広報誌

2014年6月号p10-01

2014年6月号もくじ

ミカン  

◆樹冠上部摘果  

 温州ミカンで、隔年結果が激しく着果過多で旧葉に対する新葉の割合が30%以下の表年樹では、樹冠上部の約40%(総着果量の50%)をできるだけ早く全摘果して、梅雨芽を7月10日頃までに発芽させる。

◆摘果剤散布  

 摘果作業の遅れる園は、薬剤摘果をうまく活用する。満開20~50日後(果実の大きさが20㍉程度の時期)にフィガロン乳剤1000~2000倍(1000倍散布の場合は1回のみとする)を散布すれば、間引き摘果の効果に加え着色・糖度等の品質向上剤としての効果が期待できる(満開後40~50日後が望ましい)。
 また、満開20~40日後のターム水溶剤1000~1500倍(1000倍散布の場合は1回のみとする)も間引き摘果の効果がある。ターム水溶剤は品質向上の効果は無いが、樹勢を弱らすことが無いのが特長である。
 なお、フィガロン乳剤・ターム水溶剤とも、樹勢の弱い木、若木への使用は、落葉や効果不安定などの症状が出るため使用は控える。また、散布後、高温状態が続くと過摘果になる恐れがあるため注意する。使用時には営農指導員に相談する。

◆病害虫防除  

○黒点病
 黒点病は、6月は降雨が多い時期になるため、初期感染での発生が多い。枯れ枝が伝染源となるため枯れ枝の除去は必ず行う。
 防除は前回散布からの降水量が200㍉を目安に、エムダイファー水和剤(600倍・60日前まで・2回以内、中晩柑は90日前まで・2回以内)を散布する。降水量が少ない場合も、20~30日間隔で散布する。また、梅雨期の黒点病防除時にはアビオンE1000倍を加用すると効果的だ(ただしアタックオイル加用時には不要)。

○チャノキイロアザミウマ
 チャノキイロアザミウマの果実への寄生は5月下旬から9月頃まで続く。特にマキ、サンゴ樹の防風垣を設けた園で被害が多くなるため9月頃まで注意する。
 防除薬剤は、キラップフロアブル(2000倍・21日前まで・2回以内)を散布する(マシン油乳剤との混用不可)。
 発生が多い6月上旬には、ゴマダラカミキリとの同時防除でアクタラ顆粒水溶剤(2000倍・14日前まで・3回以内)を散布する。サビダニとの同時防除であれば、ハチハチフロアブル(2000倍・前日まで・2回以内)も有効である。発生源となる防風樹への散布も忘れないようにする。

○ミカンハダニ
 発生を確認したら早めにアタックオイルの200倍で防除する。ただし降雨直後の高温、強日射時の散布は避ける。また、ミクロデナポンやデランフロアブルを使用した園では、1カ月以上の散布間隔を開ける。

○カイガラムシ類(ヤノネカイガラムシ)
 6月上旬にスタークル顆粒水溶剤(2000倍・前日まで・3回以内)を枝先までムラなくかかるよう散布する。幼虫の歩行が止まり、ロウ物質を形成し始めると薬剤が効きにくくなるため、ふ化直後の若齢幼虫を狙って散布する。なお、カイガラムシの種類によって若齢幼虫の発生時期が若干異なるため注意する。

○ゴマダラカミキリ
 ゴマダラカミキリ(天牛)の成虫は6月中下旬に多発し、枝や幹に産卵する。早い地域では6月上旬から成虫の発生が見られる。チャノキイロアザミウマとの同時防除としてアクタラ顆粒水溶剤(2000倍・14日前まで・3回以内)を散布する。また、樹幹散布剤の使用も効果的だ。薬剤散布に関しては、営農指導員にお問い合わせください。

○ミカンサビダニ
 サビダニは当初は葉で増殖するが、6月下旬頃からは果実に歩行移動する。防除適期は果実に移動する前の6月中下旬。ハチハチフロアブル(3000倍・前日まで・2回以内)をていねいに散布する。

○その他の病害虫
 高接ぎ園や幼木、夏秋梢の出た園では、ミカンハモグリガ(エカキムシ)、アブラムシの防除を行う。同時防除を行う場合、モスピラン顆粒水溶剤(2000倍・14日前・3回以内)が有効である。

◆中晩柑類の夏肥  

 中晩柑類の夏肥は、樹勢維持と果実肥大の促進のため6月上旬に施用する。10㌃当たりの施用量は、「清見」で紀南柑橘配合100㌔、ポンカンで紀南柑橘配合80㌔、ハッサク、甘夏は有機化成特A805を60㌔、「不知火」は完熟みかん配合を100㌔とする。  (大辺路営農室・那須弘康)

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