JA紀南広報誌

2014年5月号p10-01

2014年5月号もくじ

ミカン  

今年の温州ミカンは裏年。隔年結果対策への取り組みによって状況は異なるが、裏年では着花があっても結実に結びつかない場合があり、少ない結果母枝を確実に結実させることがポイントとなる。大変慌ただしい時期だが、園地状況、樹体を確認し、能率良く作業を進めよう。

◆着花管理  

 早生ミカンでは、昨年度ベタ花で成り疲れた木から多くの新梢が発生する。このような木は、早い段階で立ち上がった成り跡を中心に整理し、少しでも着花があれば被さり枝などを整理し充実、結実に努める。また、新梢が多く発生すれば、日焼けの心配が少ないので、樹形を阻害する枝を切除するチャンスといえる。
 逆に、着花が確保されていて成り回りにあたる木、または、前年度上部摘果により上部に着花のある木は、着花が偏って多い場合のみ、摘蕾や早期摘果で翌年の結果母枝確保にあたる。裏年では、着花が着果につながらない場合も多く見られるため、着花した花を大切にし、摘果で結実調整を試みるのが無難である。

◆薬剤摘果  

 裏年にあたる今年産は、摘果剤を使用する機会は少ないと思われるが、摘果薬剤にはフィガロン乳剤とターム水溶液がある。この2剤はいずれも植物ホルモン剤であり、天候や樹体などの条件によって効果が大きくバラつく場合があるため、使用時期の見極めが重要である。
 また、2剤ともに樹体に及ぼす影響が違うため、使用時には担当地区営農指導員と相談する。

◆夏肥の施用  

 近年の夏は大変高温で樹体にも大きくストレスを与えるため、暑い夏を迎える前に樹勢を良くしておく必要がある。特に、結実の多い木、収穫時期が遅い木熟栽培園、マルチ被覆予定園では、樹勢の低下や隔年対策の一つとして、10㌃当たり窒素量で4~6㌔を目安に夏肥を施用する。

◆病害虫防除  

○黒点病
 枯れ枝等の病原菌胞子が雨で飛散し、落弁期以降果実が見えてくる頃に伝染する。降雨200㍉を目安にマンゼブ剤やマンネブ剤を散布するのが基本で、梅雨の長雨や集中豪雨などで薬剤が果実から流れてしまうような雨が降った場合は速やかに防除する必要がある。また、アビオンEなどの固着性展着剤を加用して付着性を上げることで防除効果の向上が期待できる。なお、梅の隣接園などで、飛散が心配な場合はストロビードライフロアブルなどで代用する。

○灰色かび病
 開花期の天候が、曇天や雨天が続くときは、特に要注意だ。また、花の多い木は、花カスが落ちにくく発生しやすい場合がある。防除適期は、花びらが落ちる時期と一次生理落下時期の2回。

○訪花昆虫
 コアオハナムグリやケシキスイ類など昆虫が、花粉や蜜を求めて飛来し、幼果に傷をつける。開花時に晴天が続く場合に発生しやすい。
 裏年回りの年は、着果果実が少なく摘果作業による果実選択ができない場合が多いため防除をしておく方がよい。なお、ミクロデナポン水和剤を使用する場合は、マシン剤との散布間隔をあける必要があるため注意する。

○ヤノネカイガラムシ
 1齢幼虫の発生時期が、5月下旬から6月上旬にあり、スタークル顆粒水溶剤かスプラサイド乳剤で防除する。なお、若齢時は殺虫剤による効果も上がるが成虫となると効果が不安定となる。この時期に密度が下がらない場合は、収穫後の越冬期にマシン乳剤で対応する。

○苗木の防除
 4月頃に植栽した苗木は、5月は新芽が出る時期であり、ミカンハモグリガによる食害やアブラムシの被害に注意が必要である。モスピラン顆粒水溶剤などを散布するのに加え、多忙な時期には、アクタラ粒剤などを株元散布(1樹当たり20~40㌘・2回以内)しておくのも一つの方法である。
  (芳養谷営農室・三谷秀彦)

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