JA紀南広報誌

2014年11月号p10-02

2014年11月号もくじ

 

◆結実不良樹の改植  

 11月には剪定作業が本格化してくるが、剪定の前に、結実不安定な老木樹や若くても結実の悪い木は思い切って改植を計画する。梅の経済寿命は20年と言われ、樹齢20年生以上で収量が低下している木は、早期に改植を計画し、結実安定を目指す必要がある。

◆整枝・剪定  

 梅の整枝・剪定は、樹勢の維持、結実安定、品質向上、作業性の向上などを目的に行う。落葉が始まる11月頃から、自発休眠が完了する12月中旬までが適期であり、貯蔵養分の無駄使いを避けるため、年内中に終えるのが理想だ。どうしても遅れる場合であっても、剪定は必ず行う方が良い。

○幼木の剪定
 梅の幼木の剪定は、主枝・亜主枝の確立と樹冠の拡大などの骨格作りを目的に行う。主枝は2~3本立て、角度は50~70度に設定する。最初から主枝を寝かせないようにするのがポイントだ。
 亜主枝は主枝の分岐点から1㍍以上離して設け、順次間隔を1㍍以上離して、交互に設定するのが基本となる。亜主枝の設定は3年生頃から行い、発生部位や角度が悪ければ1年遅らせても良い。
 主枝・亜主枝の先端は1本にし、2分の1~3分の1を残して切り返す。

○成木の剪定
 品種によって剪定方法は様々だが、一般的に、樹勢の強い木は間引き剪定を主体に結果枝を多く残す。樹勢の弱い木は、切り返し剪定を主体に行う。今年のように、着果過多や夏場の日照不足により樹勢が低下している木は、切り返しを多くして結果層を制限し樹勢回復させることが必要となる。
 基本的な成木の剪定手順は次の通りである。
①木全体を見て、主枝・亜主枝の配置を決める。
②主枝・亜主枝の配置が決まれば、主枝の先端から順番に不要な枝を切除し、主枝の先端は1本にして強めに切り返す。
③それぞれの枝は、先端から順番に剪定する。先端から見て三角形になるように配置し、不要な徒長枝、車枝、内向枝、枯れ枝は切除する。
④亜主枝・側枝の先端は少し上向くように配置し弱めに切り返す。「南高」では、緑枝は切り返さずに、混み合っている場合のみ間引きする。

◆病害虫防除  

○かいよう病
 かいよう病の菌は、新梢内で潜伏越冬し、翌年の発生源となる。この時期の防除薬剤はICボルドー66D(50倍・葉芽発芽前まで)が主となる。多発園では、防風林や防風ネットの設置が有効だ。

○コスカシバ
 コスカシバは幼虫で越冬し、翌年の春に孵化(ふか)する。幼虫は樹皮下の形成層を食害し樹体・枝を弱らせ、ひどくなると、主枝や亜主枝を枯らしてしまう。秋から冬の対策としては、虫糞を目印に掘り取り作業を行い、あわせて薬剤による補正散布をするのが最も有効な手段だ。
 薬剤防除では、ラビキラー乳剤(200倍・休眠期・2回以内)、または、ガットキラー乳剤(100倍・休眠期・2回以内)を主幹に散布する。また、高温時に落葉を助長する場合があるため注意が必要である。

○モンパ病
 モンパ病に感染した木は樹勢が著しく低下する。新梢が短く、葉色が薄く落葉が早い傾向にある。症状が重い場合は、改植する方が良い場合が多いため、できるだけ症状が軽いうちに防除することが大切である。薬剤は、フロンサイドSC(500倍・収穫60日前まで・1回以内)を樹幹から半径1㍍範囲に1樹当たり50~100㍑を土壌灌注する。
(中央営農室・田ノ瀬佳男)

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional