JA紀南広報誌

2013年6月号p11-02

2013年6月号もくじ

スモモ  

今年は着果の多い表年だ。遅くまで結実させておく木熟みかんでは、特に来年の結果母枝の確保が大きな課題である。隔年結果是正に重要な対策である樹冠上部摘果や樹別・園別全摘果に取り組む時期となる。この時期を逃すと、隔年結果の是正が非常に難しくなるため、きっちりと対策を行おう。

◆樹冠上部摘果  

 隔年結果が激しく、着果過多で旧葉に対する新葉の割合が30%以下の着果過多樹では、樹冠上部の約40%(総着果量の50%)をできるだけ早く全摘果して、梅雨芽を7月10日頃までに発芽させる。(図1参照)

◆樹別・主枝別・園別全摘果  

 樹冠上部摘果以外に、樹別または園別に全摘果を行い、来年の結果母枝を確保する方法もある。摘果作業が遅れがちになる場合や樹勢の弱い木は、樹別または園別全摘果の方が効果を期待できるため取り組んでほしい。また、主枝1本分を全摘果する主枝別全摘果も効果的である。

◆不知火(デコポン)の粗摘果  

 不知火は着果量が多いと樹勢が低下して小玉果が多くなり、隔年結果を引き起こす。6月下旬に強く粗摘果を行うことで、より大玉が揃い、減酸にもつながる。また、翌年の着果確保、細根や夏枝発生の促進にも効果がある。摘果の程度は、全摘果量の8割近くを目標に粗摘果し、最終着果数が1立方㍍当たり11個を目安とする。

◆温州ミカンへの摘果剤散布  

 摘果作業の遅れる園は、薬剤摘果をうまく活用しよう。満開20~50日後(果実の大きさが20㍉程度の時期)にフィガロン乳剤1000~2000倍を散布すれば、間引き摘果の効果と着色・糖度等の品質向上剤としての効果が期待できる(満開後40~50日後が望ましい)。
 また、満開20~40日後のターム水溶剤1000~1500倍も間引き摘果の効果がある。ターム水溶剤は、品質向上の効果は無いが、樹勢を弱らすことが無いのが特徴である。
 なおフィガロン乳剤・ターム水溶剤とも、樹勢の弱い木、若木への使用は、落葉や効果不安定などの症状が出るため使用は控える。また、散布後、高温状態が続くと過摘果になる恐れがあるため注意する。不明な点は営農指導員にお問い合わせください。 (表1参照)

◆樹勢維持  

 6月は、果実の細胞分裂期にあたり、樹勢を維持することと養分吸収を促進することが果実肥大のために重要となる。
 樹勢が弱い場合や、着果が多い場合は、窒素主体の千代田化成1000倍やネオプロテック1号の800倍を防除時に混用散布して樹勢維持に努める。また、降雨が少ない場合は灌水も行う。6月下旬からは、7月にストレスをかけるためマルチ被覆等の準備を行う。

◆病害虫防除  

○黒点病
 6月は、降雨が多い時期になるため、初期感染での発生が多い。枯れ枝が伝染源となるため枯れ枝の除去は必ず行う。
 防除は前回散布からの降水量が200㍉を目安に、ペンコゼブ水和剤(600倍・30日前まで・4回以内、中晩柑は90日前まで・4回以内)、またはエムダイファー水和剤(600倍・60日前まで・2回以内)を散布する。降水量が少ない場合でも20~30日間隔で散布する。また、梅雨期の黒点病防除時にはアビオンE1000倍を加用すると効果的である。(ただアタックオイル加用時には不要)

○チャノキイロアザミウマ
 チャノキイロアザミウマの果実への寄生は5月下旬から9月頃まで続く。特にマキ、サンゴ樹の防風垣を設けた園で被害が多くなるため9月頃まで注意する。
 防除薬剤は、発生が多い6月上旬にゴマダラカミキリとの同時防除でアクタラ顆粒水溶剤(2000倍・14日前まで・3回以内)、サビダニとの同時防除であればハチハチフロアブル(2000倍・前日まで・2回以内)も有効である。発生源となる防風樹への散布も忘れないようにする。

○ミカンハダニ
 発生を確認したら、早めにアタックオイルの200倍で防除する。ただし降雨直後の高温・強日射時の散布は避ける。また、ミクロデナポンやデランフロアブルを使用した園では、1カ月以上の散布間隔を開ける。

○カイガラムシ類(ヤノネカイガラムシ)
 6月上旬に、スタークル顆粒水溶剤2000倍(前日まで・3回以内)を枝先までムラなくかかるよう散布する。幼虫の歩行が止まり、ロウ物質を形成し始めると薬剤が効きにくくなるため、ふ化直後の若齢幼虫を狙って散布する。なお、カイガラムシの種類によって若齢幼虫の発生時期が若干異なるため注意する。

○ゴマダラカミキリ
 ゴマダラカミキリ(天牛)の成虫は6月中下旬に多発し、枝や幹に産卵する。早い地域では6月上旬から成虫の発生が見られる。チャノキイロアザミウマとの同時防除としてアクタラ顆粒水溶剤(2000倍・14日前まで・3回以内)を散布する。また、樹幹散布剤の使用も効果的である。薬剤に関しては、営農指導員までお問い合わせください。

○ミカンサビダニ
 サビダニは、当初は葉で増殖するが、6月下旬頃からは果実に歩行移動する。防除適期は果実に移動する前の6月中~下旬。ハチハチフロアブル(3000倍・前日まで・2回以内)をていねいに散布する。

○その他の病害虫
 高接ぎ園や幼木、夏秋梢の出た園では、ミカンハモグリガ(エカキムシ)、アブラムシの防除を行う。同時防除を行う場合、モスピラン顆粒水溶剤(2000倍・14日前・3回以内)が有効である。

◆中晩柑類の夏肥  

 中晩柑類の夏肥は、樹勢維持と果実肥大の促進のため6月上旬に施用する。10㌃当たりの施用量は、「清見」で紀南柑橘配合100㌔、ポンカンで紀南柑橘配合80㌔、ハッサク、甘夏は有機化成特A805を60㌔、不知火は完熟みかん配合を100㌔とする。
  (富田川営農室・中平剛史)

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