JA紀南広報誌

2012年1月号p14-01

ミカン  

 平成23年産のミカンは6月の2次生理落果が多く、その後、9月上旬の大雨により肥大が促進され、その分糖度が上がらない状況だった。木は表年にもかかわらず、樹勢が保たれている園が多い。しかし、マルチ栽培などで水分ストレスを与えた園や、秋肥の施用が遅くなった園は樹勢回復が十分でないと考えられる。
 収穫後から1月中旬までに、暖かい日を選び、チッ素主体の葉面散布剤(尿素・あざやか等)500倍を、7~10日間隔で3回程度散布し、樹勢の弱い木は早期の回復を図る。

◆土づくり
 連年安定生産のためには、健全な樹勢を維持し、根の活力を高める必要がある。そのため、有機物の投入や石灰資材の施用による土壌改良を行い、細根量を増やすことが重要である。
 何年もの間ストレスをかけてきた園では、表層の細根が少なくなり、樹勢の低下、葉数の減少等が起こり、糖度の上昇も鈍る傾向にある。このような園では、土づくり対策に必ず取り組んでほしい。すぐに効果が上がりにくい園もあるが、根気良く行おう。施用量は栽培暦の基準設計を参考にする。

◆密植園の間伐
 高品質安定生産を目指すためには、独立樹にして受光環境を良くする必要がある。特に密植園は作業性も劣り、薬剤散布をしても木全体に薬剤がかかりにくい。
 近年多発しているカイガラムシ類などの病害虫の発生原因となるため、密植園の間伐を剪定作業の前に行う。
 日照時間が長い園や、ストレスがかかりやすい園、今年表年の園、長年密植であった園などは、一度に間伐を行うと残す予定の木が弱ることもある。このような園では、縮伐も併用しながら徐々に樹間を確保していく。
 また、マルチ栽培園では列間伐を行い、効率的に資材を被覆できるよう条件を整備する。生産者の皆さんには、いま一度園内を見直し、密植園の間伐、または縮伐による園相改善を検討してほしい。

◆病害虫の防除
 12月に機械油乳剤でハダニの防除を行っていない園地では、1月10日ごろまでに、晴天が2~3日続く暖かい日を選んで機械油乳剤95を45倍で散布する。寒い日の散布や、樹勢低下が著しい園、北西風の強く当たる園、冷気のたまりやすい園では、落葉を助長することがあるので控える。
 機械油乳剤の殺虫作用は、主に油膜で窒息死させるものであるため、虫にマシン油を接触させることが必要だ。樹冠内部や葉裏などに薬剤が十分かかるよう丁寧に散布することが大切である。
   (富田川営農室・中平剛史)

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