JA紀南広報誌

2012年1月号p02-01

2012 新年ごあいさつ  

協同組合運動の役割発揮を
代表理事組合長 中家 徹  

 新年あけましておめでとうございます。
 平成23年はまさに歴史に残る自然災害が起きた年であり、自然の脅威を痛感した一年でした。
 何といっても3月11日の東日本大震災は死者、行方不明者が3万人近くになる史上まれにみる災害となり、加えて原発事故は今もなお終息せず、計り知れない被害となっています。
 そして、9月3日から4日にかけて紀南地方を襲った台風12号では、かつて経験したことのない大雨による被害が発生。土砂崩れ等による家屋の倒壊があちこちで起き、尊い命までも奪われました。
 農業面でも農地の冠水や崩落、施設被害など多岐にわたり、被害額は管内で約6億6千万円にのぼりました。JAも事務所や加工場、選果場等の浸水により、約6千万円の被害を受けました。
 このような被害状況を踏まえ、JAでは復旧・復興に向けて県や国に支援要請を行いました。無利子融資や助成金制度の創設、そして補助金の対象にならない傾斜20度以上の園地についても、対策を強く要請してまいりました。
 まだまだあちこちに被害の爪跡が残っていますが、一日も早い復旧・復興を祈念申し上げます。
    □  ■  □
 大災害とともに、相変わらず続くデフレ経済に加え、円高、株安は不況感を一層増幅させている状況です。これにより、消費者の購買意欲がさらに低下し、農産物も厳しい販売を強いられました。
 特に震災後の花きは需要の激減により、価格が大幅に下落、主産物である、梅、ミカン等も期待する価格での販売はできませんでした。
 梅干しにあっては、相変わらず安価な商品に目が向けられ、肝心のA級品の売れ行きが停滞しています。 7月12日には、梅干しの見通し価格にカルテルの疑いがあるとして、公正取引委員会が梅加工業者に一斉調査に入ったことも衝撃的な出来事でした。このことは、梅干し価格低迷の中で、22年12月に農家が公正取引委員会に訴えたことが起因しているわけですが、産地としては非常に残念であります。
 農家の気持ちは十分理解できるものの、決して意図的に安い相場にしたのではなく、需要、供給、在庫等の状況を加味し、総合的に判断した中での見通し価格でありました。高い相場価格を設定しても、末端で売れなければ在庫が増え、もっと別の問題が発生します。
 公正取引委員会の結果がどのような形になるのか分かりませんが、今後の梅干し販売に支障の来たさないような判断をお願いしたいものです。
    □  ■  □
 暗い話題の多かった中で、23年の流行語大賞にも選ばれた「なでしこジャパン」の話題は、国民に大きな希望と勇気を与えました。
 ワールドカップ前にJAの梅干しを贈呈し、選手や監督に大変喜ばれましたが、梅干しパワーが優勝にも貢献していると信じています。今後とも梅干しを通じて「なでしこジャパン」を応援してまいります。
    □  ■  □
 農家経済の厳しさは、当然ながらJA経営にも影響を与えており、特にJAの主たる事業である信用、共済、購買、販売事業が厳しくなっています。
 組織基盤の脆弱化も真綿で首を絞めるがごとく進行しており、基盤強化対策も喫緊の課題であります。量的強化対策としては、員外利用制限対策とともに総合ポイント制度(クミカ)を活用して組合員加入運動を展開した結果、2年間で約15000人の新規加入がありました。
 今後は加入いただいた組合員の皆さんとのパイプを太くし、協同活動に参加いただくことが非常に重要になります。
 取り巻く環境が激変する中で、従来の手法や常識が通用しなくなってきており、事業も組織も環境変化に対応した取り組みを進めねばなりません。改革は痛みも伴いますが、組合員皆さまのご理解とご協力を賜りながら取り組んでまいります。
 支所機能再編につきましても、当初の構想が大詰めを迎えています。今年は市ノ瀬、岩田、岡支所を機能再編し口熊野支所としてスタートし、生馬支所も朝来支所に機能再編することになっています。また稲成、秋津、万呂支所につきましても、25年の再編に向けて進めてまいります。
    □  ■  □
 農政面で注目すべきものは、TPP(環太平洋経済連携協定)問題の動向であります。これは農業だけでなく、暮らし全般に大きな影響を与えかねない問題です。
 JAでは組合員の皆さんはじめ、全国で1166万のTPP交渉参加の反対署名を集め、グループ挙げて断固反対の運動を展開してきましたが、野田総理は「交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と表明しました。
 全国の市町村議会、都道府県議会の大半が反対する中で、民意を無視した表明は誠に残念であり遺憾です。
 政府は食料自給率を50%に引き上げる目標を掲げていますが、関税が撤廃されれば14%になると試算されています。具体的にどのようにして達成させるのでしょうか。安全・安心な食品は確保されるでしょうか。医療や保険は大丈夫なのでしょうか。
 多くの不安を抱えて新年を迎えることになりましたが、今後は協議の動向を注視しながら、農業・農村を守るための予算措置をはじめ、TPP参加によって受ける悪影響回避に向け、全力挙げて農政運動を展開してまいります。
    □  ■  □
 想定外の自然災害とともに、23年はJA紀南にとって誠に残念な出来事がございました。金融共済担当常務だった小川敦生さんと、監事の黒田庫司さんのご逝去であります。
 まさに想定外の出来事であり、小川さんは9月26日、黒田さんは10月18日と、わずか1カ月足らずの間に相次いで亡くなられ、まさに痛恨の極みでありました。
 JA紀南にとっては貴重な人材を失い、計り知れない損失であります。あらためてお悔やみを申し上げるとともにご冥福をお祈り申し上げます。
 「人材のレベルが組織の盛衰を決める」と言っても過言ではありません。お二人の意志を無にすることなく、役職員の一層の資質向上に努めてまいります。
    □  ■  □
 国連は、2012年を国際協同組合年とすることを宣言しました。これは協同組合が社会、経済の発展に貢献していることが認められた証拠であります。
 あの東日本大震災の時も、台風12号による災害の時も〝一人は万人のために、万人は一人のために〟という相互扶助の精神が生かされ、協同組合理念を実践されました。
 そして日本中に「助け合いの心」「人と人の絆」「安全・安心なくらし」を重視する気運が高まっています。今こそ協同組合の役割、存在意義とともに、協同組合運動の重要性をアピールする絶好の機会であり、内外に発信してまいります。
 今年も政治・経済ともに混沌とし、なかなか先が見えない状況でありますが、JA紀南は引き続き、元気な〝農業づくり〟〝地域づくり〟〝JAづくり〟に全力を傾注してまいりますので、絶大なるご支援、ご協力をお願い申し上げます。
 今年こそは、大きな災害もなく、皆さまにとりまして幸せ多き一年でありますようご祈念申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。

紀南勝景 ~その33~  

鳥の巣泥岩岩脈 田辺市新庄町

 田辺湾に突き出た小半島で、半島西岸に約1.5㌔もの泥岩岩脈が走っている。これは地層に地殻変動により割れ目が生じ、液状化した泥岩層が吹き出して固まったものといわれている。地質学上貴重なもので、国の天然記念物に指定されている。

 

おしえて みかっぴ その3  

質問
正月飾りのミカンは、どうしてダイダイが使われるの?

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional