JA紀南広報誌

2011年7月号p20-03

コラム  

「思い出」は心の支え  

 東日本大震災の発生から3カ月が過ぎた。被災地では復興に向けた取り組みがなされているが、未だに多くの方々が避難生活を余儀なくされている。
 そのような中、何日もの間、家族や友人と離れ、懸命に「瓦礫の片付け」を行っている自衛隊員やボランティアの方々の様子をニュースで見るにつき、「ご苦労さま、大変な作業ですがよろしくお願いします」と心からお礼と感謝を念じるところである。
 映像では、自衛隊員などが慎重に撤去作業や捜索活動を進める様子が見て取れる。その作業の手がしばし止まる時がある。「遺留品の発見」である。
 写真やアルバムが見つかると隊員が作業を止め、付着した泥を取り除く。一つ一つ大切に保管し、避難所に運び入れ該当者に引き渡しをしている。
 被災者は、「家も車も家族」をも失う中、せめて「思い出の品を」と、瓦礫を掻き分け探している様子などもしばしば放映されている。
 また、原発事故により「着の身、着のまま」自宅を後にし、非難生活を送っている方々も多く居る。震災と原発の二重の出来事に遭いながらも、必死で耐えている姿には心が痛む。
 非難後、初めて一時帰宅を許された際、「アルバム」を持ち帰り品として託す人もある。人が生活する中で、いろいろと必要なものはあるにせよ、アルバムなどの「思い出」は、心の支えとしてなくてはならないものであると痛感した。
 刺激を受けた私は、我が家のアルバムの整理を決断した。子供が誕生し数年間は整理をしていたのだが。その後の約18年間に溜まった写真は意外と多く、「いつ、どこで写しものか」分からず、作業は容易ではなかった。
 休日や夜間を利用しながら整理を続け、写真に日付・場所も添付し、ようやく「思い出アルバム12冊」が完成した。
 先日、子供たちが帰省した。整理を終えたアルバムに目を通し、「誕生から今日までの時の流れ」を感じたのか、微笑んでいる姿を見て私は内心「ほっ」とした。これから先は、アルバムを大切し、さらに多くの思い出をつめていってほしいと願う。
 「思い出」は一人一人違う貴重な財産。大切にしていきたいものです。(企画開発課・西川靖史)

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