JA紀南広報誌

2011年7月号p14-01

ミカン  

 今年は全国的に表年にあたるため、着果が多い状況である。紀南の早生ミカンは隔年結果が強く、市場から安定供給を要望されている。高品質生産をめざすとともに、適正着果対策の徹底、翌年の結果母子確保に向けて取り組もう。

◆温州ミカンの摘果

 摘果作業は隔年結果是正の大きな鍵をにぎるので、遅れないように取り組もう。

○極早生ミカン
 極早生ミカンは収穫までの生育が短いため、早期摘果に重点を置いて初期肥大を促そう。特に階級による価格差が大きいため、収穫時M・L果に仕上げよう。
 着果の多い木では、遅くても7月上旬を目途に粗摘果を終了する。枝別摘果で枝別群状着果に心掛けよう。樹勢の弱い品種では、主枝の先端から30~50㌢までを全摘果する。
○早生・木熟ミカン
 隔年結果是正のため、6月中旬~7月上旬の樹冠上部摘果を行う。品質向上・隔年結果が防止できるため、できるだけ早い時期から樹冠上部摘果を行い、結果母枝(夏芽母枝)を確保しよう。樹冠上部摘果以外に、園地別・樹別に全摘果を行って来年の結実を確保する方法もある。
 着果の少ない木については、後期摘果に重点を置く。

◆マルチ被覆

 生産量の多い年は品質によって大きな価格差が付くと予想される。マルチ栽培はマルチを被覆することで、降雨の遮断によって木にストレスをかけ糖度を上げる。
 被覆率を高め被覆時期を早めることで、いかに早く水分ストレスをかけ糖度の上がりを早めるかがポイントだ。収穫が早い極早生では7月上旬までに被覆する。糖度を上げるために株元を閉めた部分マルチ、または糖度の上がりにくい園地では全面マルチで対応する。
 早生・木熟ミカンでは園地条件を見ながら8月上旬までに全面被覆を行って糖度の上昇を図る。耕土の深い園地では、被覆後にストレスが効き始めるまでの期間が長く必要となるので、できるだけ被覆時期を早める。
 天候・園地条件によって極度の水分ストレスがかかる場合は、潅水も必要となる。

◆温州ミカン品質向上対策

 品質向上対策としてフィガロン乳剤の散布が効果的だ。第1回目は満開後50~90日後、第2回目は満開後70~110日後(ただし収穫14日前まで)3000倍で10㌃当たり300㍑を目安に葉先から滴り落ちる程度散布する。フィガロン乳剤は温州ミカンで総使用回数4回以内、1000倍希釈は1回以内とする。
 樹勢の弱い品種・極端な、干ばつが続いている場合は散布を控えよう。

◆病害虫防除

○黒点病
 発生源は、樹上の枯れ枝・放置された剪定枝で、降雨の度に漏れ出した病原菌が葉や果実感染し発病するので、枯れ枝を除去することが大切だ。
 薬剤による防除は、前回の散布から累積降雨量が200~250㍉に達するか、散布後20~30日経過すれば薬剤の効果が低下するため、ペンコゼブ水和剤(600倍・30日前まで・4回以内)、またはエムダイファー水和剤(600倍・60日前まで・2回以内)で防除する。
 なお中晩柑の登録はペンコゼブ水和剤(600倍・90日前まで・4回以内)であるため注意する。

○ロウムシ・カイガラムシ
 7月上旬、それぞれの幼虫の発生時期にスプラサイド乳剤(1500倍・14日前まで・4回以内)で防除する。中晩柑は(1500倍・90日前まで・4回以内)。葉裏にもかかるように丁寧に散布する。  (三栖谷営農室・原大輔)

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