JA紀南広報誌

2011年7月号p10-01

平成23年 地区懇問答集 (Q&A)  

農業、JA、地域のこと
48会場で多くのご意見  

 JA紀南は今年も5月に総代会前恒例の地区懇談会(48会場、1056人出席)と、ブロック別総代懇談会(田辺・富田川・大辺路の3会場、173人出席)を開きました。いただいた組合員皆さんのご意見やご要望は、改めて項目整理し、「Q&A形式で回答いたします。

営 農 本 部  

問い……東日本大震災の影響で日本経済は厳しくなるといわれる中、和歌山は果樹県であり、梅や柑橘は必需品ではないため販売は厳しいと思うが、JAも「安心、高品質なものを作れば販売は任せておけ!」という意気込みで販売願いたい。
答え 果実は嗜好品ですが、おいしいものやこだわり、ストーリー性のあるものは、価格が高くてもすぐに売りきれるケースがあります。安全・安心は前提条件ですが、高品質や新しい取り組みを通じ、取引先やお客様を引き付ける商品や企画提案力が必要です。JAはこれからも積極的に取り組みますので、組合員の皆さまも共販活動への参加とともに積極的な取り組みやご意見をお願いします。

問い……県が育成した梅の新品種「NK14」について、地域農業振興・再生計画に記載されていないが、JAはどのように考えているのか。
答え 「NK14」はまだまだ試作段階であり、本格的に流通してみないと十分な評価が出ないのが現状です。自家結実する特性を生かせるよう、販売方法・流通についても取引先の意見も聞きながら方向付けを進めます。

問い……選果場の機械の償却について、現行の選果場単位ではなく、JA紀南全体で考えることはできないか。
答え 生販や運営委員会において、将来的な構想の中で、実現に向け、前向きに議論を進めているところです。現実問題として、買い替えに際して国庫補助がなくなった場合、現状の選果場単位での機械償却では生産者負担は現状の2倍になります。これらを踏まえ、全体の選果場で償却負担を共有し、全体で平均化していくべきではないかと考えています。

問い……鳥獣害の元凶であるサル、シカ等を駆除しなければならないが、登録免許には管轄区域があるため駆除できない。どうにかならないのか。
答え 鳥獣害対策は重要課題であり、県・市町に対し猟期の拡大や捕獲に関する規制の緩和、防護対策への補助等についても要請を行ってきています。また管轄区域を越えて市町間が連携して捕獲活動に取り組んでいる事例もあり、今後も県・市・町への要請とともに関係機関と連携して対策に取り組んでいきます。

問い……梅干しタルの評価買い付けとはどのようなことか。
答え 従来は、選別の悪い品物については評価を格下げしていたが、今年より選別の良いものについては一般価格に上乗せした特別価格で買い取ります。ただし、現時点ではいくら上乗せするかは決まっていません。

昨年から本格的に販売した冷凍南高梅

問い……昨年取り組んだ冷凍南高梅の結果はどうだったのか。これからの農業は輸出も考えてほしい。
答え 冷凍梅の量は2㌧程度でしたが、反響は予想以上で売り切れとなりました。ただ、500㌘で700円という売価は量販店やスーパーでは売りにくく、むしろ産直通販でよく売れました。本年も昨年以上の数量を確保し、昨年の海外での試験的な販売も参考にしながら仕掛けを行っていきたいと考えています。

問い……加工事業の決算について、事業総利益が6億3500万円もあるのに対し、加工品取扱実績29億5500万円と前年比1億円の増加にとどまっている。扱い実績が昨年と余り変わらないのに収益が大幅に増加した要因は何か。
答え 加工事業の収益は決算期である3月末の棚卸単価に左右される部分があります。前年度決算(21年度)において決算予測として4億5000万円の事業総利益をみていましたが、最終の決算では原料価格が下がったため、3億4000万円となりました。このことは本年度(22年度)の営業努力とあいまって本年の収益に反映されています。 併せて22年度は製品の生産量が約20%増やせたことや、昨年導入した梅肉製造での充填機を含め、オートメーション化で生産効率の向上と合わせて収益が上がっています。また、JAが梅干しの低価格競争に巻き込まれなかったことも大きく影響しています。

問い……加工部の産直・宅配部門を伸ばしていくべきだと思うが、将来を見据えてどういう方向性を持っているのか。
答え 産直・宅配部門の増強についてはご指摘の通りさらに伸ばしていく方針で、まずはインターネット販売に力を入れ、将来的には加工部に専任の企画員を配置したいと考えています。また23年度中にはJA紀南の公式ホームページでもネット販売を開始する予定です。組合員の皆さまにもぜひとも、梅の拡販に向けた知恵を提案いただきたきたいと思います。

問い……経営リスクの軽減と農家所得の向上のため、新しい品目なども提案してほしい。
答え 農家所得確保を行う上で、柱となる作物とその他の品目との複合経営が必要となっています。例えば、エンドウ等豆類やタカナといった新しい品目も重点作物として挙げていますので、取り組みをお願いします。

金融共済本部  

新規顧客の利用も多いJAのローンセンター

問い……支所統廃合する一方ローンセンターをどうして設置しなくてはいけないのか。JAの本来の姿ではないのではないか。
答え JAは営農事業のみを協同活動とはしておらず、営農面も含め暮らしに関わるすべてに対して、「農」を中心とする地域協同組合と位置づけています。
 そんな中、JAが地域金融機関としての役割を発揮するためには、地域のより多くの皆さまにJAの事業をご利用いただくことが大切です。これまで支所では十分な対応ができなかった住宅関連業者からの持ち込みや、土日・夜間の相談、住宅建築にかかる金融、税務、資産管理面等、より高度な専門知識を必要とする相談などに、迅速に対応できる体制が必要であったことから、ローンセンターを設立しました。その結果、組合員はもちろん、これまでJAと取引のなかった多くの方々にローンセンターをご利用いただき、利用者には大変喜ばれています。

問い……貯金の集金に手数料がかかると聞いたが、集金には来てくれないのか。
答え 「集金手数料」は、日掛け集金といったご商売等による定期的かつ恒常的な売上代金を対象とさせていただいています。
各種ローン、投資信託、国債といった最近の金融商品については、数多くの丁寧な説明が求められています。このため、渉外担当者がより細やかな組合員対応するためにやむを得ず今回の措置とさせていただきました。他の金融機関も同様の手数料を制定しており、ご理解をお願いします。

問い……東日本大震災について、JA共済の支払準備金については大丈夫なのか。
答え 現時点での調査棟数を基に支払共済金額を試算した結果、建物共済では約6500億円、また生命共済においては約800億円の支払見積額になっており、日本農業新聞等にも掲載されていたところです。
 この支払共済金(建物・生命合計7300億円)に対して、JA共済の支払担保力(準備金)は異常危険準備金を中心に約2兆8000億円を準備しています。このことからも、共済支払準備についてはまったく心配ありません。
 しかし、このような状況ですので、次年度以降の共済割戻金や新契約共済掛金については、現時点において未定の状況です。

企画管理本部  

携帯でも確認できるポイント残高

問い……「クミカ」のポイントについて、JA事業を利用するとポイントが加算されるというが、Aコープや紀菜柑での買い物以外では、ポイントが見えないから分かりにくい。
答え ご指摘の通りですが、ポイントの残高は、支所窓口または、ご自身でも携帯電話で確認することができます。さらに利便性を高めるため、7月1日から各Aコープの店頭および紀菜柑に、お手軽にポイント確認できる機械を設置し、ご利用できるよう進めています。

問い……当期剰余金は、平成20、21年に比べて増加し、繰越剰余金も増加しているのに出資配当の1%は低いのではないか。
答え 農協法第8条に「組合は営利を目的として事業を行ってはならない」と規定されています。このことは「組合員に分配(出資配当)するために営利を目的として事業を行わない」と解されています。しかしながら、やはり大事なお金を協同活動に出資いただいている以上、その時々のお預かりする貯金金利並みの配当は必要とのことで、現在の貯金金利を若干上回る1%の配当実施を予定しています。
 剰余金はできるだけJA内部に留保し、広く組合員が利用できる施設等に活用するのが有効と考えています。

問い……剰余金処分案に「うめ消費宣伝活動積立金」とあるが、他にも品目がある中、なぜ梅だけなのか? JA全体の利益の中から積立をするのだから全体に関わる目的に使うべきだ。
答え もちろん、広いJA紀南管内にはさまざまな品目がありますが、梅は栽培、販売高とも最大の作目であり、梅の動向がJAの各事業に大きく影響するといっても過言ではありません。とりわけ販売事業や加工事業の収支がJA経営に大きく影響を及ぼす現状から、「うめ消費宣伝活動積立金」についてのご理解をいただきたいと思います。

問い……合併して組織は大きくなったが、農家とJAの意思疎通はうまくとれているのか。
答え 平成15年の合併により管内が広くなり組織も大きくなったとともに、支所機能再編によりJAと疎遠になったと感じられている方も多いのではないかと思います。
 しかし、JAでは機能再編をしても活動の単位は細かく行おうと、地区懇談会や運営委員会も従来の支所単位に開催するとともに、生販活動など部会活動も小単位で行い、可能な限り組合員の意見を反映できるようにと心掛けています。
 また、農家とJAのつながりを強化する必要があることから、総合渉外担当者も配属していますので、何なりとお気軽にご相談・お申し付けをお願いします。

問い……22年度の自己資本比率は昨年度と同程度と聞いたが、もっと高める必要があるのでは。
答え 22年度の自己資本比率は15・27%となり、21年度に比べ0・2%向上しました。金融機関の経営指標としてはまず十分安心なレベルと考えています。
 一般的に自己資本比率は高い方が良いわけですが、自己資本比率は総資産に対する自己資本の割合ですから、JAが事業を進めることにより、当然総資産が増えて比率は低下します。そのため、総資産(保有資産)を効率的に運用することで、適正な剰余金を確保し、自己資本を増やすように努めたいと思います。

JAグループが一体的に行ったTPP参加の反対署名運動

問い……TPPの問題はどうもよくわからない。農業者でも賛成する人もあると聞くが。
答え TPPとは「環太平洋戦略的経済連携協定」の略称で、太平洋を挟んで位置する10カ国間の貿易の完全自由化を目指す交渉です。従来検討されてきたWTOやEPA、FTAなどと違って、関税撤廃に例外を認めないという日本農業にとって非常に厳しい貿易交渉です。
 もしTPPに参加した場合の農業の損失額等について、農林水産省は生産減少額で4兆5千億円、食料自給率は現在の40%が14%程度になると試算しています。このことからも農業をはじめ、地方経済は壊滅的な打撃を受けることは明白であります。このため、JAグループでは各団体と連携して、TPP交渉参加断固反対の署名活動を実施したところです。
 また、農業が前面に出ていますが、交渉の中味は金融、保険、食品安全性など24項目にわたり我が国の仕組みや基準が変更を余儀なくされ、私たちの暮らしが一変してしまう可能性があります。
 なお、TPP交渉参加に農業者が賛成することは通常考えられませんが、輸出農家等一部賛成の方がおられるのかもしれません。

問い……組合員が、新たに約1万人増えたということは喜ばしいことだが、正組合員の割合はどの程度か。正組合員が減少する中、JAとしてこれからの協同組合の方向性をどのように考えているのか。
答え 22年度末の正組合員数は1万2367人、准組合員数は2万7132人で正組合員割合は31・3%です。
 正組合員の減少を抑えるには、正組合員の次世代との関係を強化し、現在の基盤をスムーズに次世代へ継承していくことが必要ですので、青年部や女性会等と連携し一戸複数正組合員化などの取り組みを進めます。
 また一方で、准組合員の加入割合も高まってきていることから、多様化する組合員の要望にも応えていく必要があります。そのため、地域社会とのかかわりを重視し、地域全体の活性化に取り組む事業体として活動していきたいと考えています。多くの方々の理解を得ながら、「農」を中心とした地域協同組合が、協同組合の進むべき方向と考えています。
 このようなことから、「JAの事業利用者は皆組合員」という認識に立ち、JAの事業を利用していただいている地域の皆さまに准組合員として加入いただくため、引き続き組合員加入促進運動を強力に進めていきます。

問い……JA事業は農家が主体であるべきであるが、最近では金融・共済中心の事業活動を強化しているように思え、その趣旨から外れているのではないか。
答え JAは、農家の皆さまをはじめ、組合員の営農・生活に関する事業を総合的に展開しています。政府や財界からは、JAの事業から金融・共済事業を分離させるべき(金融・共済で得た利益を営農関連事業に流用させない)との声が上がり、国の政策として将来的な課題となっています。
 JAの存在意義とは、地域に密着し、農家組合員の営農・生活両面からサービスを提供して、利用していただいていることです。
 営農事業のあり方は十分検討の余地はあると考えますが、もしJA事業から金融・共済事業が分離されたとき、恐らく今のようなJA活動は不可能になり、営農事業そのものが成り立たなくなります。
 その一つの証左として、全国的には、金融・共済事業を行わない専門農協が、経営的に立ち行かなくなって総合農協に吸収されている実態があります。
 したがって、JAは、農家の営農面活動重視の姿勢に変わりはありませんが、生活面において金融・共済事業も非常に重要なことであることをご理解いただきたいと思います。

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