JA紀南広報誌

2011年6月号p02-01

農をいきる 地力請負人  

手間隙をかけてウスイを栽培する大谷繁男さん

白浜町矢田
大谷 繁男さん
(JA日置支所豆分科会会長)

 県の地域ブランドとして登録されている〝紀州うすい〟。JA紀南管内では日置地区が最も栽培が盛んな地域である。生産者の高齢化が進んでいるが、地の利を生かし、栽培技術の向上にひたすら突き進む生産者に出会った。

ウスイへの愛着とこだわり
研究心で独自の技術を確立  

 日置地区では、約2・5㌶で38戸の農家がウスイを栽培している。平成23年産は低温が続いた影響で生育遅れがあったものの大幅に生産量は増え、5月中旬までに15㌧以上(昨年9㌧)を関西の市場へ出荷した。
 ウスイの品種には「きしゅううすい」、「紀の輝」などがあり、総じて〝紀州うすい〟と呼ばれる。特許庁の地域団体商標(登録者=JA和歌山県農)に認定され、県のブランド食材としての地位を確立している。
 白浜町矢田でウスイを栽培している大谷繁男さんは、JA日置支所豆分科会の会長を務める。現在、3㌃の面積で作付けしている。
 大谷さんがウスイ栽培を始めたのは15年ほど前だが、小学校3年生の時に母親を亡くし、そのころから学校を休んでまで手伝いをしたという。電気工事の仕事に従事したため農業からはいったん離れたが、仕事を辞めてからは、ウスイ栽培に打ち込み始めた。
 「昔の思い出もあり、ウスイには特に愛着を持っている。手間はかかるが、価格は比較的安定していて、何より自分の性に合っている作目だと思う」と話す。

 栽培するからには品質や作業効率などを向上させるため、常に研究するというのが大谷さんの姿勢だ。そのため、独自の栽培方法やこだわりを持つ。
 例えば、種を蒔く間隔は、通常40㌢のところを80㌢空ける。1カ所に7粒ほど蒔いて、茎が出てくると4本に間引き、交互に2本ずつ60㌢ほど寝かせてから立ち上げる。結果的に40㌢間隔となるが、こうすることで整枝・選定の手間が省けるという。
 霜対策としては、畝の間隔を2㍍以上空けて風通しや日当たりを良くしている。枝が伸びてくると、垂れないよう外側への広がりを防ぐためにビニールテープを周囲に渡って巻く。
 このような技術の確立については、「親に教わったことを基礎に栽培を続けているが、経験半分、残りは土地や気候に合わせて自分なりに応用してきた」という。
 現在、作付けの9割は「きしゅううすい」だが、今後は「紀の輝」の割合も少し増やすことも考えている。収穫までの期間が短く、目方もとれるからだという。
 「一年一年が勝負と思ってチャレンジしているが、3年に1回くらい価格に当たりが来ればいい」と余力を持つ必要性も訴える。もちろん〝やるだけのことをやったうえで〟が条件だ。
 80歳を過ぎてなお栽培にこだわり続け、研究心を失わない大谷さん。親から技術と愛着(思い出)を受け継ぎ、さらなる自信作を生み出すことにまい進している。
 (文・写真=編集部・竹内一寿)

 

紀南勝景 ~その26~  

闘鶏神社 田辺市湊
 武蔵坊弁慶の父といわれている熊野別当湛増が源平の合戦の際、赤白の鶏に闘わせた結果によって源氏に味方することを決め、源氏を勝利へと導いたという故事が社名の由来。夏の例祭の田辺祭は、紀州三大祭の一つに数えられている。

 

おしえて うめっぴ その2  

質問
JA紀南においしいトウモロコシがあるって聞いたけど、どの地域で作られてるの?
答えは誌面のどこかにあるよ!

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional