JA紀南広報誌

2011年3月号p26-01

私にできること 第7回  

「私の兄」について
岩出第二中学校 2年 南 空歩  

 僕の一番上のお兄ちゃんは、軽度の知的障害を持っています。普通の生活はできるけど人とのコミュニケーションをとる事が、難しい。よく友達などと、ケンカしたり、鉄道警察から電話がきたり、学校が嫌でリムジンバスに乗って行こうとした事もあります。好きな人が出来て気持ちを伝えようとしたけど、うまくいかず、ものすごく落ち込んだ事もあります。学校に行けなくなると、何ヵ月も学校を休む事もあります。時々、手術もしなければならない時もあって、入院する事もあります。視力も弱くて、仲良くなった人でないと顔も覚えにくいので、すれちがう時にケンカをされたりします。僕達はその度にビックリしたり心配したりします。お兄ちゃんを見ていると僕らより、いっぱい生きていきにくいんだなぁと思います。けど、そんなお兄ちゃんにも夢があります。お兄ちゃんは、障害のある子供に関われる仕事がしたいそうです。自分も人に理解してもらえなくて、悲しい思いや、怖い思いや、腹の立つ思いをしてきたから、自分が何か分かってあげたいそうです。でも、お兄ちゃんがそういう思いを持っていても、実際にそんな資格をとる事は、難しいです。お兄ちゃんも自分で調べて、自分には難しいなぁと分かっています。でも僕はそんなお兄ちゃんに誰かに手伝ってもらいながらでも、そんな仕事をさせてあげたいなぁと思います。お兄ちゃんは、親せきの子供達をいつも遊んであげるのが上手だと思います。親せきの子供達もお兄ちゃんが大好きでなついています。お兄ちゃんも、とても楽しそうに、遊んでいます。ただでさえ、お兄ちゃんは周りの人に分かってもらえない事が多くて、トラブルになるのに、人の世話をするのは任せてもらえにくいかもしれません。でも、お兄ちゃんもいっぱい努力しています。一人で自分の事が出来るように、ボタン付けやぬい物の練習をしたり、アイロンがけやお料理をたくさん作る練習をしています。まだまだ上手ではないけど、少しずつ上手になってきていると思います。お兄ちゃんが、お母さんと作った料理を食べると、少しうらやましくなる時があります。洗たく物をたとんだり干したり、そうじをしたり、買い物に行って計算をしながら買う事も、材料も選ぶ事も全部練習しています。お兄ちゃんが自分で服を選ぶ時は、ちょっとビックリするような服を持ってくる事もあります。服そうは好みが自由だけど、社会の中で一人で生活しながら、みんなに受け入れてもらうのは、僕から見て不安もあります。でも、お兄ちゃんは一生懸命パソコンの練習をしたり、漢字検定を受けたりして、がんばっています。お兄ちゃんも、まだまだ努力も勉強もしなければならないと思うけど、少し支えがあれば社会で自立出来ると僕は思います。お兄ちゃんが自立でしたいと思っている仕事が出来て、自立していきたいという思いが、かなえられたらいいと思います。お兄ちゃんみたいな人達を支えてくれる仕組みが広がれば、お兄ちゃんにもチャンスが回ってくるかもしれないので、お兄ちゃんもがんばってほしいです。
 僕がお兄ちゃんがすごいと思うのは、僕達三人兄弟の中で、自分だけ障害を持って生まれた事を責めない事です。障害があるから結婚や運転免許を取れないと、すごく落ち込むことがあっても、どんな兄弟ゲンカをやっても、僕達に障害がなくていいと言いません。僕だったら絶対言えてくると思います。
 お兄ちゃんは一人で電車で出かけるのが好きで、駅弁を食べてきます。週末に寝台列車で行くのも楽しみにしています。がんばってるお兄ちゃんが、自分のしたい仕事が出来て休みの日には自分のしたい事が出来るようにさせてあげたいです。

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