JA紀南広報誌

2011年3月号p07-01

テイクオフ  

金融共済本部長 小川 敦生
2011年度経済予測と計画について  

 今年の冬は大変寒い。久しぶりにこの地方でも雪は積もるし、日本海側を中心に大雪や暴風などによる被害で大荒れです。一方、南半球のブラジルやオーストラリアでは大雨による大規模な洪水被害が発生しています。
 今回の異常気象の一因になっているのは北極圏が周期的に寒気を放出する「北極振動」と、中部及び東部赤道太平洋での海水温が平年より下がる「ラニーニャ現象」で、3月から5月まで続くとみられています。
 さて、経済予測ですが、国連貿易開発会議(UNCTAD)は世界経済見通しを発表し、2011年の世界経済の成長率が前年(3・6%)に比べると3・1%に減速すると予測しました。12年も3・5%と緩やかな成長にとどまるとの見込みです。
 国・地域別では、米国が2010年で2・6%、11年で2・2%、ユーロ圏は1・6%から1・3%に、日本は2・7%から1・1%に鈍化すると予想しています。
 エコノミストによると、日本経済について米国や中国など海外経済の改善を足がかりに、年後半には回復軌道に戻るという見方が大勢を占めています。成長率の予測は、物価変動の影響を除き実質で10年度は3・3%、11年度は1・2%と成長ペースが緩やかになる見方が有力です。 雇用や所得環境の改善は続くものの、政策効果(家電エコポイト制度の11年3月末終了等)の息切れが鮮明になると予想しています。
 日本経済に長い間続いているデフレですが、国際通貨基金(IMF)の定義によれば、「物価が2年程度続けて下落している状態」を指しますが、日本のGDPデフレーター(名目GDP÷実質GDP×100)や消費者物価指数を見ると、総じてマイナスが続いています。
 需要不足は深刻で、経済全体の需要と供給の差である「需給ギャップ」は、10年4~6月期の年率換算で約25兆円(民間最終消費支出約293兆円なので8・5%の増加必要)。それだけの需要を上積みしないと、日本国内の生産設備や労働力をフル回転させることはできません。
 日本銀行によると、問題の本質は成長力の低迷でデフレはその結果であり、デフレが先行して改善することは基本的にない。将来の成長力は労働人口と労働生産性の伸びで決まると言っています。この解決策としては、女性や高齢者を中心に労働参加率を上げること、生産性の伸びは、新たな市場創造などで一段の向上を目指す必要があるとも言っています。
 今求められるのは何より顧客を知るための「マーケティング」であり、さらに顧客に受け入れられるものやサービスを創る「イノベーション」であります。
 11年度は、「JA紀南第二次中期経営計画」5カ年の2年目として、掲げた目標の達成に向けて知恵を出し合い、チャレンジ精神で計画に取り組んでいきたいと考えています。
 そして「元気なJAづくり」のため、金融・共済事業ともに、各種相談対応をさらに強化し、信頼と期待に応える事業経営に取り組みます。
 「信ずれば必ず通じ、行ずれば必ず達す」
 これは私がいつも散歩の度にお邪魔している臨済宗妙心寺派報恩寺(通称 善光寺)の入口に掲げられた法語です。このことを旨としまい進しますので、よろしくお願いします。
 ちなみに、報恩寺の新春法語は「人生の生きがいは、自らを向上させることにある」です。

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