JA紀南広報誌

2011年3月号p05-01

きずな  

代表理事組合長 中家 徹
TPP参加は断固反対へ  

 平成22年度も残り少なくなりましたが、依然として先行き不透明な社会が続いています。中でも農家、JAにとって不安を大きく増幅させる農政課題が起きています。
 ご承知のように、昨年秋から降って湧いたTPP(環太平洋経済連帯協定)問題であります。
 TPPというのは貿易自由化を促進するもので、従来検討されてきたWTO、EPA、FTAなどと違って、関税撤廃に例外を認めないという農業にとっては非常に厳しい貿易交渉であります。
 そのTPPについて管総理が10月の所信表明で、突如として交渉への参加検討を述べ、その後年頭の会見や国会での施政方針演説でも、「平成の開国元年」と位置づけ、TPP交渉に前向きに取り組む姿勢を示されています。
 新聞等のマスコミは、「経済界」対「農業界」のような構図で報道、あたかも開国することが日本の発展につながるような論調で報道されていますが、全く違います。これは農業だけの問題ではなく、金融や保険、医療などサービス分野にも及ぶ重大な問題です。
 TPPに参加した場合の農業の損失額等について農林水産省は試算をしており、生産減少額も4兆5千億円と非常に大きいのですが、何よりも食料自給率が現在の40%が14%程度になるとのことで、命の源である食は外国産で占められることになります。食料が戦略物資とまでいわれている今日、こんな状態で良いのでしょうか。
 国連食糧農業機関(FAO)によると、12月の主要食料の価格指数が、食料危機といわれた2008年6月の水準を上回り、最高値を更新したとのことです。
 新興国の需要増大や異常気象などが要因といわれていますが、FAOは「食料価格はさらに上昇する方向であり危険な領域に突入しつつある」と声明を出しています。
 食料危機が心配され、世界で食料争奪戦が予想される中、日本の食料安全保障は〝安全不保障〟となります。
 もちろん農業、農村はじめ地方経済は壊滅的な打撃を受け、農業が果たしている国土保全、農村景観保持、地域文化保全などの多面的機能も喪失してしまいます。一部の輸出企業の利益のため、失うものがあまりにも大きすぎます。
 6月を目途に方向を示すといわれていますが、わずか数か月で農業の将来を展望し、TPP参加後も明るい見通しの持てる農業像を描けるとは到底思えません。
 日本は貿易立国であり、経済活性化のためには自由貿易も必要であることは理解するものの、今回のTPP交渉参加問題は、あまりにも唐突です。
 JAグループでは、各種団体と連携して、TPP交渉参加断固反対の署名運動を展開しています。お互いの暮らしを守るためにも、一人でも多く皆さんの署名をよろしくお願いいたします。

「クミカ」で組合員メリット  

 平成15年4月に9JAが合併し、新生JA紀南としてスタートして早いもので8年が経過しようとしていますが、この間、農業やJAを取り巻く環境は激変しています。
 特にJAを構成している組合員の皆さんの状況は、農家である正組合員が減少して非農家である准組合員が増加しています。
 JA紀南では昨年から組合員メリットを明確にするため総合ポイント制を導入して、組合員の皆さんには「クミカ」カードをお渡ししご利用いただいております。
 昨年11月からはAコープ店頭で加入を呼びかけたところ、1月末時点で約7500人の皆さまに加入いただきました。
 新たに加入いただいた皆さんは大半が非農家の皆さんですが、農業協同組合と名乗る限り農家正組合員が減少することは好ましいことではありません。
 昔は一戸に一組合員という考え方でしたが、現在は「戸から個へ」ということで一戸複数組合員化に取り組んでおります。農家の女性の皆さん、後継者の皆さん、ぜひとも組合員にご加入ください。
 JA組織の強みは組合員力にあります。引き続き、組合員加入を推進して組織基盤の量的強化を図り、その後はさまざまな手段を講じて質的な強化に取り組んでまいります。
 そして「JA紀南の組合員になって良かった」と言われるよう努めてまいりますので、ご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

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