JA紀南広報誌

2010年7月号p05-02

きずな 代表理事組合長 中家 徹  

協同組合のあり方  

 今、JAにとって協同組合の根幹をゆるがしかねない議論がされており、危機感を募らせています。
 それは、政府が行政刷新会議の下に設置した規制・制度改革分科会での議論であり、農協に関する項目として9項目が課題とされています。そのうち4項目については早急に対処方針が決定される予定であります。
 その中で特に注目しなければならないのは、独占禁止法(以下独禁法)の適用除外の見直しであります。
 独禁法は、ご承知のように公正かつ自由な競争の促進を目的とし、私的独占や不当な取引制限を禁止していますが、同法22条では協同組合の行為に関する独禁法の適用除外制度を規定しています。
 その制度は、大企業との競争において小規模の事業者や交渉力の弱い消費者が相互扶助を目的として、協同組合を組織して有効な競争単位として競争することが、むしろ公正かつ自由な競争の促進になるという趣旨から設けられています。
 したがって、JAが行う共同販売事業や共同購買、共同施設利用などの共同経済活動については独禁法の適用が除外されています。
 しかし、今議論されているのは、その適用除外を見直して適用すべきではということであります。
 もし、法22条の適用除外条項がなくなれば、協同組合の全面否定につながり、共同販売、共同購買などの共同経済行為が違反となる恐れがあり、協同組合活動ができなくなります。
 当然、農家組合員の皆さんにも多大な影響を与えることになり、何としても適用除外制度は守らなければなりません。
 今、JAグループは生協や漁協、森林組合など他の協同組合とともに緊急共同声明を発表し、適用除外維持を強く訴えています。
 また、中期的検討項目とされている5項目の中には「金融・共済事業の分離」や「一人一票制の見直し」「准組合員制度の廃止」などがありますが、まさに協同組合の無理解もはなはだしく、項目として掲げること自体、遺憾であります。
 そもそも委員構成にも問題があります。JAグループから誰一人入っておらず、委員の多くが農業の事情や協同組合をまったく知らない人が多く、JA批判を繰り返し行っている者が新たに委員として加わっています。
 このような構成の中で冷静に正しい議論により、建設的な提案ができるかまったく疑問です。
 いずれにしても、これらの一連の議論については組合員の皆さんも大いに関心を持って注視していただき、お互いの農業と生活を守り、組織を守るためにも、共に訴えてまいりましょう。

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