JA紀南広報誌

2010年7月号p02-01

農をいきる 地力請負人  

1本1本丹念に手入れする楠本さん。来年は10万本をめざす

 数ある管内の主要花きの中で、一元化販売をスタートしたトルコギキョウ。数量がまとまり、市場評価が上がったり長期間販売できたりとメリットがある一方、栽培面や平準化に向けた課題も多い。将来の方向性について分科会長に話を聞いた。
白浜町才野 楠本 淳二さん (JA紀南トルコギキョウ分科会 会長)

将来性高いトルコギキョウ
めざすは市場トップの評価  

 田辺から串本まで広域的に栽培されているトルコギキョウ。合併後も地域ごとに品種や出荷先が異なって販売していた中、JA紀南は昨年、一元化販売することを決めた。市場に対する販売力の強化が大きな狙いである。
 「同じJA管内で作る花をバラバラでやっても力がない。みんなで結集して、まとまった数量を集めて初めて他産地と勝負できる」と強調するのはJA紀南トルコギキョウ分科会の会長を務める楠本淳二さんだ。
 これまでは、地域ごとに持っていた技術も違えば、生産・販売に対する農家の考え方も違っていた。一元化後は「少しずつ足並みを揃えていこう」と生産者らは一致団結し、数量もまとまった。
 出荷シーズンとなる11月中旬から6月いっぱいまでの長期間で販売できる体制が構築され、安定して出荷できる仕組みができた。何より市場に対して産地の評価が上がったのが大きなメリットだ。
 現在の会員数は13人で、面積は約5㌶。主な品種は白系の「キングオブスノー」やラベンダー色の「キングオブオーキット」。ほかにもざっと20種はあるが、当初より3分の1程度に絞られた。
 「トルコは、葬式、入学式、結婚式など同じ品種でもめでたい日や葬儀にも利用できるオールマイティの花」と楠本さんは自負する。

ラベンダー色も人気が高い

 一元化によって規模は拡大したものの、「まだまだ物量も生産者数も足りない状況だ」と楠本さんはいう。他産地が台頭してくる前に十分力をつけておきたいというのが本音だ。
 「共選としては、紀南は市場からトップクラスの評価を得ている。トルコギキョウは花の中でも一番魅力があり、将来性もあると思う。栽培に興味がある人にはぜひ取り組んでもらいたい」と新たな導入を勧める。
 栽培には非常に手間のかかるトルコギキョウ。だが、楠本さんは一切妥協しない。定期的な水やりから無駄な下枝の整理、品種によっては花芽の整理も必要とのことで、1本1本丹念に手入れする。今年は8万本、来年は10万本をと意気込んでいる。
 広い管内だが、部会ではたびたび会議を重ねて意見交換する。市場を招いたり視察を行ったりと自主的に研鑽を積んでおり、一元化販売の真価が発揮されるのはこれからだ。
 「高いレベルでの栽培をみんなが意識してくれるかどうか。長期間通じて出していけるのがうちの強みなので、常に高位平準化での出荷をめざしたい」と希望を抱く。
 産地間競争を勝ち抜き、県内トップではなく市場の頂点をめざしたいという楠本さん。産地の特長を生かし、市場がほしいときにいつでも品質の高いものを供給できる…。そんな未来像を描いている。
(文・写真=編集部・竹内一寿)

紀南勝景 ~その15~  

南昌山 草堂寺 白浜町富田
 熊野古道富田坂の入り口にあたる草堂寺。観音堂は一本欅から造られていて、一本堂とも呼ばれている。お寺の周りにはツツジが植栽されており、6月初旬に満開を迎える。大変見応えがあり、人気を博している。

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