JA紀南広報誌

2010年5月号p26-01

あきつのでイキイキ子育て  

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田辺ブロック上秋津支部
赤井 ひとみ

 農家に嫁いで早25年。実家の生活より長く、すっかり農家のおばちゃんです。サラリーマン、核家族で育った私にとって、結婚後の環境は180度変化しました。一生の仕事と思っていた看護師も、半年後には辞めました。「免許があるのにもったいない」とも言われましたが、当時は若くあまり考えていませんでした。
 「農家って毎日、毎日畑で何してるんやろう」と、思うぐらい農家については何も知らなかった私。嫁いでからは日々勉強、全てが初体験。徐々に農家の生活にも慣れてきてはいたものの、初めての農繁期が終わると熱を出してしまったことを、今でも覚えています。
 農業は、慣れてくるとある程度自由がきき、両親との同居でゆとりも生まれてきました。
 末娘が2歳の時、県農主催のヤングミセス研修で、アメリカ1週間の研修旅行がありました。「このチャンス逃したらあかん!」。そんな思いと主人の強い勧めもあり、幼い娘たちを置いて参加しました。
 その仲間とは今でも年に一度会って、近況報告をしています。みんなの話を聞くと〝明日から頑張ろう!〟という気持ちも湧いてきます。この気持ちが源となり、地元の友達4人で加工グループも作りました。2級品のミカンを使ってゼリー、シャーベット、アイスクリームなどの商品を作り直販所で販売しています。
 また、女性の意見も必要と、こだわりみかん部会の役員も引き受け、研修会や百貨店での販売にと、飛び回る充実した毎日です。
 そんな私も4人の娘の母。まさか私が、4人の子どもを産むなんて。あのまま看護師として昼夜働いていれば考えられないことでした。
 では、私の自慢のたくましく育った四姉妹を紹介したいと思います。
 まず長女。人見知りで、夜泣き、すぐに熱を出す、とにかく手のかかる子でした。こんなことがありました。幼稚園に通い始めた頃、〝前へ倣え〟をしていて、たまたま隣の男の子の手が当たり、いじめられたと勘違い。次の日からは、泣きながらの通園でした。小学校では、なるべく人の後に隠れて目立たない。
 そんな彼女もどうにか、保健師、看護師の免許を取得し、病院で私の同級生を上司に働き始めて3年目。やっと仕事にも慣れてきて一安心といったところです。
 3歳年下の次女。何もかもお姉ちゃんを真似して、どんどん挑戦する子です。小学校入学前には、友達と一輪車を乗りこなし、校長先生を驚かせたほどでした。進路が決まらず悩んでいた高校3年の夏、田辺市の国際交流で、ニュージーランドにホームステイする機会をいただきました。
 ホームステイ中、私は「きっと海外の虜になってきてしまうで」と内心思っていました。予感は的中。「外国に行きたい!」という気持ちに胸ふくらませての帰国でした。「やっぱりな~、やりたいようにやったらいい!」と背中を押しました。
 友達からの「ほんまに行かせるんか?」という心配の声をよそに、ホームステイから半年後、卒業してすぐ、本当にニュージーランドに語学と観光の勉強のため出発してしまいました。
 地球の北と南。でもパソコンのお陰で、離れていても顔を見ながら話すことができ安心でした。その後、一年間は、自分のしたいことを見つけたいとニュージーランドを転々としました。
 日本に帰ってからも、英語を忘れないように、オランダ人のジャーナーリストの下でアシスタントを務めたり、北海道のニセコにある、外国人スキーヤーのための会社で、語学を活かせる仕事を…。今は、希望の職業に就くため、梅田のホテルでアルバイトをしながら就職活動中です。
 三女は年子の次女とは正反対。おとなしくて控えめです。魚や動物が大好きで、小学生のころはバケツとタモを持っては一人でも川に出かけていました。優しい性格で神経も細やかでした。
 高校で沖縄へ修学旅行。魚が何より大好きな彼女は、美ら海水族館を人一倍楽しみに出発。ところが初日、沖縄の洞窟の中で、戦争の話を聞き、過呼吸になってしまいました。その後、ずっと先生とホテルで過ごし、彼女の修学旅行は終わってしまいました。
 こんなに苦い経験にめげることもなく、幼いころから大好きな魚の勉強をして、水族館に勤めたいと、大阪の海洋動物の専門学校へ入学し。昨年4月から水産業に就職。職場に同世代の女の子はいないのですが、楽しく、大好きな魚の稚魚を育てています。
 四女は、長女とは9歳違いの平成生まれ。年も離れているので、甘く育てているようで、上の娘たちからは「私の時とはえらい違いや!」と言われます。その度「しかるのにも体力がいるから~」と、言い訳しています。
 その子も今は高校生。おじいさん、おばあさんにも優しく、いつも笑顔です。
 人生は一度きり! その子がしたいことを自由にチャレンジさせてやりたいというのが私たち夫婦の思いです。そして、地域ぐるみで子育てをする秋津野の地。娘たちも秋津野の皆さんに見守られ、助けられ、のびのび育つことができました。
 あと少しで、子育ても卒業。これからは主人と一緒に娘たちに負けず、チャンスを見つけて、いろんなことにチャレンジし続けていきたいと思います。

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