JA紀南広報誌

2010年5月号p22-03

コラム  

出会った子どもは500人  

 私は自分の子ども以外にも、大勢の子たちと出会っている。きっかけは、長男が潮岬小学校に入学した昭和60年に体育部長を引き受けたことから始まった。
 当時転任してきた校長先生は、私が6年生当時の担任だったこともあり、母親子供クラブのキックボールの指導を要請してきた。元来スポーツが好きな私は、二つ返事で引き受けた。
 校長先生は転任前の大島小学校の子供クラブを、町内敵なしのチームに作り上げた実績があり、キックのルールさえ知らなかった私に、丁寧に指導してくれた。
 西牟婁郡大会出場を目指して練習が始まった。当時30歳の私は短気なところもあり、暑い時期に思うようにいかないと、エラーをした子どもたちを叱り飛ばすことも多々あったが、泣きながら私のキックしたボールに向かっていく姿を今もしっかり覚えている。
 いよいよ大会当日、決勝で校長先生の教え子たちの大島小学校とぶつかった。校長先生は大島チームのベンチに行き、私が采配を振るうことに。共に守りの固いチーム同士で1点を争う白熱のゲームとなり、終盤勝ち越した潮岬チームが2対1で優勝した。
 その瞬間、子どもたちが駆け寄ってきたのが私ではなく、校長先生だったのが少しショックだったが、その瞬間の感激は鮮明に記憶されたままだ。夕方、知合いのサッカー監督から連絡があり居酒屋で優勝祝いに生ビールをご馳走になったのも最近の出来事のようだ。
 あれから25年経ち、当時の子どもも37歳。立派なお母さんになっている。会うと「こんにちは佐藤さん」と声を掛けてくれ、うれしいことだ。正確に数えてはいないが、出会った子どもたちは500人を越えたと思う。
 最近は時が経つのが早く感じる。数年前からドッジボールに変わったが、変わったのは種目だけではない、自分も丸くなったと思うし、子どもたちも友達感覚で接してくる。これも時代の流れかと思う。
 今年串本支所に入組するHさんも平成3年の6年生に出会っているが、果たしてHさんは覚えてくれているだろうか?
 いつまで体がいうことを利くか分からないが、必要とされるうちは新しい出会いを楽しみに、これからも続けていきたいものだ。
(すさみ支所・佐藤武治)

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional