JA紀南広報誌

2010年5月号p10-01

ミカン  

 今年の温州ミカンは裏年である。前年産の対策や取り組みにも左右されるが、基本的に着花が少なく新梢の発生にバラツキが予想される。木の状態をよく確認し、樹体に合った管理を重点的に行おう。

◆着花管理

 早生ミカンでは、昨年度ベタ花で成り疲れた木から新梢が発生する。このような木は、早い段階で立ち上がった成り跡を中心に整理し、少しでも着花があれば被さり枝などを整理し充実するよう努める。また、新梢が多く発生すると日焼けの心配が少ないので、樹形を阻害する枝を剪定するチャンスである。
 逆に、着花が確保されていて成り回りにあたる木、または前年度上部摘果により上部に着花のある木は、着花が偏って多い場合のみ、摘蕾や早期摘果で次年度の結果母枝を獲得しよう。裏年では、花が着果につながらない場合も多く見られるため、着花した花を大切にし、摘果で調整を試みるのが無難である。

◆薬剤摘果

 裏年にあたる本年産では、摘果剤を使用する機会は少ないと思われるが、昨年度に登録されたターム水溶剤と、従来からのフィガロン乳剤の二剤がある。ターム水溶剤についてはまだ使用された事例が少ないため、営農指導員など十分相談する。

◆夏肥の施用

 結実の多い木や収穫時期が遅い木熟栽培園、マルチ被覆予定園では、樹勢の低下や隔年対策の一環として、窒素量を10㌃当たり4~6㌔を目安に夏肥を施用する。

◆病害虫防除

○黒点病
 枯れ枝等にある病原菌胞子が雨で飛散し、落弁期以降に果実が見えてくるころに伝染する。降雨の状況により防除を徹底する。なお、薬剤はマンゼブ・マンネブが主力とされるが、梅の隣接園などで、飛散が心配される場合は、ストロビードライフロアブル(2000倍・14日前まで・3回以内)などで代用する。

○灰色カビ病
 開花期の天候が、曇天や雨天が続くときは特に要注意だ。また、花の多い木は、花カスが落ちにくく発生しやすい場合がある。防除適期は、花びらが落ちる時期と一次生理落果時期の2回。

○訪花昆虫
 コアオハナムグリやケシキスイ類など昆虫が、花粉や蜜を求めて飛来し、幼果に傷をつける。開花時に晴天が続く場合に発生しやすい。
裏年回りでは、着果が少なく摘果作業による果実選択ができない場合が多いため、防除をしておく方が無難である。

○ヤノネカイガラ
 1齢幼虫の発生時期が、5月下旬ごろから6月上旬にあり、基本は、アプロードフロアブル(1000倍・14日前まで・3回以内)で防除する。薬剤効果が前記載薬剤で不安定な場合は、登録のある有機リン剤、またはマシン油乳剤(97~98%)で対応する。

○苗木の管理
 4月ごろに植裁した苗木は新芽が出る時期であり、ミカンハモグリガやアブラムシの被害に注意が必要である。モスピラン水溶剤(2000倍・14日前まで・3回以内)などを散布するのに加えて、多忙な時期には、アクタラ粒剤(一樹当たり20~40㌘・育苗期2回以内)などを株元散布しておくのも一つの方法である。
(芳養谷営農室・三谷秀彦)

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