JA紀南広報誌

2010年12月号p26-01

私にできること 第4回  

「じぷた」とぼく
中貴志小学校 4年 野口 賢世  

画像

 道徳の時間に先生が
 「自分が人から言われていやだった言葉を書きましょう。」
と言って、紙を配ってくれました。ぼくは、迷わずに、「チビ」と書きました。ぼくは、たしかに背が低いけれど、「チビ」と言われるとすごくはらが立つし、くやしくて悲しい気持ちになります。でも、言った人はそれほど悪気はなく、その言葉で、ぼくがいやな気持ちになっている事に気付いてないかも知れません。
 小さな時から大好きな本があります。最初に読んでもらったのは、いつかは覚えてないくらいの赤ちゃんの時で、それからずっと、数えきれないくらい読んでもらったり、自分で読んだりしています。「しょうぼうじどうしゃ じぷた」という絵本です。
 ある町の消防署に、はしご車の「のっぽくん」と高圧車の「ぽんぷくん」と救急車の、「いちもくさん」、それから、古いジープを改良したちびっこ消防車の「じぷた」がいます。
 じぷたは、ちびっこでも働き者です。だけど、じぷたが活やくしても、のっぽくん達は、
 「ぼやだからちびっこでちょうどいい。」
とか
 「あれでも、いさましいつもりだね。」
などと言うのです。じぷたは悲しい気持ちになり、はしごや強いポンプを持っている事をうらやましく思うのです。
 ある時、山小屋が火事になります。せまくけわしい山道をはしご車や高圧車で行くのはむずかしいけれど、じぷたなら大じょうぶ。じぷたの大活やくで火事は消えました。このニュースが町中に知れわたり、じぷたは人気者になるという話です。
 小さな時は、はしご車や高圧車や救急車を負かしたような気分で、
 「小さくたってすごいんだぞ。」
と、まるでぼくがじぷたになった気分でいました。でも、最近なんだか少しちがうように感じてきました。今でも、小さなじぷたとぼくが重なる事は変わりませんが。はしご車は高いビルの火事の時に、高圧車は、いきおいよく水を出して火を消します。救急車は、けが人をす早く病院に運びます。そしてじぷたは、小回りがきくので、せまい道を通る時に役に立ちます。みんな形やせいのうはちがうけれど、その時のじょうきょうによって人を助けるために活やくしています。だれが一番とかではなくて、みんながそれぞれの特性を生かして協力して火を消すのだとわかってきました。
 ぼくのまわりにも、背の高い子、走るのが速い子、ボールを遠くまで投げられる子、計算の速い子、きれいな字を書く子、いろんな子がいます。ぼくは、「虫」の事ならくわしいです。
 みんな体の特長もちがうし、得意な事や苦手な事があるけれど、自まんしたり、自分とちがう事をせめたりしないで、得意な事を苦手な人に教えてあげたり、自分とちがうところも、みとめ合えるようになればいいと思います。

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional