JA紀南広報誌

2010年12月号p05-01

きずな 代表理事専務 本田 勉  

地域社会と農協  

 私たちは農業協同組合を組織して、その組合員として日々活動しています。農業協同組合は、組合員のために営農・販売事業をはじめ信用・共済・生活・指導・購買等の事業を行っています。「ゆりかごから墓場まで」という言葉がありますが、農協で間に合わないことを探すほうが早いくらいです。
 さて、組合員は正組合員と准組合員に分けられます。正組合員とは、農業を営み農協に出資して組合員となった人を言います。准組合員とは農業に全く関係はありませんが、農協の事業を利用するために出資をして組合員になった人をいいます。その他の地域の方々は組合員外ということになります。
 私たちは地域協同組合を目指し、地域の発展のために活動したいと念じております。しかしここで問題があります。それは、私たちの農業協同組合は、定款(農協の基本的な決め事)で、組合員のために組織・活動することを謳っています。そのために各事業で組合員の利用する事業量に対して、組合員外の方の利用量が一定の割合以下になるように制限を受けます。
 「そうしたら地域協同組合というのは嘘か? 我々地域の住民は農協の事業を少ししか利用できないのか」というお叱りの声が聞こえてきそうですが決してそうではありません。
 先にご紹介した准組合員という制度があります。農業をしていなくても農協に出資していただいて、准組合員になることができるのです。准組合員は経営に直接参加することはできませんが、事業は全て利用できます。
 今JA紀南は、「クミカ」というカードを組合員(正・准)に持っていただいています。このカードを使って事業を利用していただいた方には、それぞれの事業内容に応じてポイントを付けています。
 事業を利用するたびにポイントがどんどん増え、1000ポイント貯まればAコープ商品券1000円分と交換する特典があります。まだ始めたばかりで対象にならない事業もありますが、今後充実させていきたいと考えています。
 あなたのお友達や親戚、お隣に、Aコープやガソリンスタンドを利用しているのに組合員でない方がおられましたら、ぜひ組合員になって地域の仲間として農協の事業を遍く利用し、ポイントを貯めて毎日を楽しく過ごしていただくようにお勧めください。そしてあなたの力で地域を元気にしましょう。
 大勢の組合員加入をお待ちしています。ちなみに出資額は一口=1000円からです。

COP10  

 名古屋市で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催された。ご承知のように世界193カ国が参加して、生物多様性について協議された国際会議である。
 あまり馴染みのない会議のように思われるかもしれないが、決して他人事ではない。それどころか今、私たちの地域で、アライグマ、ブラックバス、ハクビシン、台湾猿等々の外来生物の繁殖、シカ、サル、イノシシ、タヌキ等の害獣が我が物顔で横行しているのも、生物多様性のバランスが崩れている証明である。
 そもそも外来生物には、天敵がいない。天敵と呼べるのは人間くらいだが、外来種ペットの野生化に手を貸したのもその人間である。アライグマしかり、ブラックバスもルアー愛好家が湖沼に放したのが元といわれている。
 己の趣味のために、地域の、ひいては地球規模の生態系に大きな影響を与えているのに、当人は知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいる。非常に腹立たしい思いである。
 日本では古来神の使いとしてお祭りされたお狐様が、アライグマの繁殖と時を同じくしてお姿を隠された。生態系の上位であった狐がその姿を消した影響はどのようなものだろうか? アライグマとの関わりは? 専門家でない私には分からないが、シカがここまで繁殖した背景には天敵の存在が絡んでいると思う。
 COP10は「SATOYAMAイニシティアブ」を採択してその幕を閉じたが、提案した日本の里山の現状はどうか? 農業が軽視される中で、先人の守ってきた環境がどんどん破壊されている現実をどうみるか?
 私たちは、日本人として農業の果たす役割を、もう一度皆で考えてみる必要があるのではないだろうか。

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