JA紀南広報誌

2010年10月号p05-01

きずな 代表理事専務 本田 勉  

南国か?  

 暑い! とにかく理屈抜きで暑い。立秋を過ぎたというのに、気温は連日のように真夏日の30度をはるかに越えて、なお記録を更新している。また、熱帯夜とかで夜も寝苦しい毎日。日中は外へ出ると、鉄板の上で焼かれる「鯛焼き君」の気持ちがよく分かる。
 この原稿が皆さまのお目に触れるころは、少しは秋が感じられるようになっていることとは思うが::。
 さてこの暑さ、熱中症で救急車のお世話になる人が後を絶たず、命を失った方も大勢いるとか。人間にもこれだけの影響を与える気象の変化、日陰へと移動できない植物にとっては大きなストレスとなる。
 現に日本では野菜が、果物が品不足となって価格が上昇している。またロシアではプーチン首相が小麦の輸出を禁じ、ウクライナにおいてもプリシャジュニュク農相が、小麦と大麦の輸出を250万㌧に制限する可能性に言及した。両国共に、旱魃による凶作が原因である。
 ウクライナは、大麦の輸出量が世界1位、小麦は6位であり、ロシアは小麦が世界1位の輸出国である。世界の穀物供給基地の相次ぐ禁輸措置は、穀物市場に大きな影響を及ぼす。輸入大国の日本は穀物相場に振り回され、やがては高いお金を払っても買う物がないことが起こりうる。
 「大丈夫、日本にはあり余る米があるし、今年も作柄予想は102だ」と高をくくっているあなた! 現実はそう甘くはないですよ。
 8月19日付の日本農業新聞では、このまま温暖化が進み夜間の気温が1度上昇すると、収量が10%減少するという実験データが発表されていた。米がなくなったらどうしますか?
 今、日本の米消費量は、年間一人当たり58・5㌔(09年)となって、まだ減少が止まらない。豊芦原の瑞穂の国の住人として、もう少し米を大事にしても罰は当たらないと思うのだが、あなたはどうですか? 毎日米の飯と梅干2粒を食べていますか?

消えた日本人  

 今、全国で100歳以上の高齢者で行方不明者が続々出てきた。戦後、日本の繁栄にずいぶんと貢献された人たちである。その人一人が消息を絶って、何年も探すこともなく過ぎている。いったいどうしたことか? 日本人はどこへ行こうとしているのか?
 以前この欄をお借りしてご紹介した、インドへ渡ってしまわれた一人の僧、佐々井師の言葉が思い出される。「やっぱり」と思うのは、不明者が都市部に集中しているということだ。
 農山漁村部ではまだ人と人との絆がしっかりしている。一人暮らしのご高齢の方も居られるが、周囲が皆気にかけている。こんなことは起こり得ない。いくらシステムを構築して住民基本台帳を整備しても、机の上やパソコンの中では生身の人間は管理できない。ここで、協同組合の良さが見直されている。
 国連が2012年を「国際協同組合年」と定めた。世界が今、協同組合に注目してその基本理念の大切さを意識し始めた。私たち農協の組合員・役員・職員は、胸を張って協同組合運動に邁進し、ひとりひとりが地域で本当に必要とされていることをしっかりと自覚したいと思う。

農業生産法人  

 組合員や生産組織の皆さんのご協力を得て、平成18年に向こう10年間の「農業振興・再生計画」を設定、計画に基づいて事業を行ってまいりましたが、5年を経て、社会環境や経済情勢の変化に合わせて内容を見直すことになりました。今、藤谷先生をリーダーとする農業研修センターチームのご指導の下、作業を進めているところです。
 一方で農業従事者の高齢化は、待ったなしの状態です。そこで担い手対策の一つとして農協出資型の法人の研究を始めています。この法人には、遊休農地の解消や農業生産の振興とそれによる雇用の創出等期待するところは大きなものがあります。
 もうひとつ大きな目標として、次代を担う農業者を養成したいということもあります。
 まだ研究を始めたところで輪郭もはっきりしない状態ですが、実現に向けて努力したいと考えていますので皆さまのご指導・ご協力をお願いします。

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