JA紀南広報誌

2009年9月号p26-01

2008年9月号もくじ

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【最終回】
障がい者の人権

近畿大学附属新宮高等学校 2年 佐武 佳美  

 「はぁ…。」

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 一言、『人権』と聞くと、大抵、部落差別であったり、人種差別などを思い浮かべると思いますが、私は障がい者の人権について思い浮かべます。障がいを持った人が、周りの人からの固定観念にしばられ、個人の自由が尊重されていないのではないかと思っているからです。
 私はいくつかの夢を持っています。その一つに『作業療法士』があります。脳性麻痺患者、身体障がい者、精神障がい者と一緒に作業をすることを通じて、できる事を増やしていく。生活していく上での必要最低限のことをできるようにしていく。そんなこの職業にとても憧れを抱いているからです。私はその夢に役立てるため、いくつものボランティア、ボランティアスクールを体験してきました。小学校の時には手話クラブに入りました。その後も、老人ホームに行ったり、障がい者支援センターに行ったり、看護学校に講習を受けに行ったりしました。
 小学生の時の手話クラブは聴覚障がいを持った方と実際に会話をしてみるという実践的なものでした。最初は伝わるかどうかとても不安でした。でも、実際に会話してみると意外に伝じて、本当に嬉しかったのを覚えています。伝えたいという気持ちがあれば、何とかして伝えることができるのだと感じた初めての体験でした。私はこの貴重な体験を忘れません。
 中学に入ってから何度か行ったボランティアでは障がいを持った方々の元気の良さ、パワーに圧倒されました。『障がい者はできないことをたくさん持っている。』『支えが必要だ。』と思っている時期があり、私も偉そうなことを言う資格がありませんでした。自分では意識しなくとも、少し蔑んだ目で見ていた気がしました。しかし、実際に接してみるとほとんど健常者とかわりがなく、障がいも少し強い個性にしか見えませんでした。その人の障がいの重さにもよるのでしょうが、だいたいの身のまわりのことは自分でできます。そしてとても温かく、明るく、純粋な心を持っていました。一緒にいたのは少しの時間だけでしたが、多くのことを感じさせてくれました。

 世間の人々は障がい者について、間違った固定観念や、偏見を持っていると思います。それは部落差別や人種差別などと同じことだと思います。『障がい者だから~できない。』『障がい者は健常者と大きく違う。』そういう考えを持っている人が多いのではないかと感じています。そのせいで、障がい者という枠にはめられ、自分のやりたいことをできない人もいるのではないかと思っています。その考えも、実際に障がい者と触れ合うことによって、払拭されていくと思います。今の時代実在する障がいを持った方の話がドラマになったり、ドキュメントになったりしていて、障がい者と触れ合う機会はたくさんあると思います。そういった機会を逃がさず、積極的に参加して固定観念をなくすことで、障がい者の理解を深め、障がい者と健常者との間にある壁を取り払っていけたらと思います。

 (和歌山県人権啓発センターの平成19年度「差別をなくす人権作文優秀作品集」から)

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