JA紀南広報誌

2009年9月号p20-00

2008年9月号もくじ

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NO.17

農地の有効活用を  

 「耕作放棄地」という言葉を、最近よく報道で耳にするようになりました。国民の農業への関心が高くなっている中で、「なぜ、自給率が低いのに、耕作放棄をするのか」といった報道です。
 全国の耕作放棄地の面積は、埼玉県と匹敵するほどですが、「これだけの田畑が耕作されることなく荒れているのは農家に原因がある」「減反政策こそが耕作放棄地の原因」といった内容の報道もありますが、これは誤解に基づいた報道であると言わざるを得ません。
 一部では「減反政策=生産調整」とのイメージがあるようですが、JAグループや全国の農業者が取り組んでいる「生産調整」は、かつての減反政策ではありません。
 今取り組んでいる生産調整とは、田んぼで何も栽培しない「休耕」ではなく、自給率の低い麦や大豆の生産とあわせて、需要が減っている主食用の米を作る代わりに、家畜の飼料となる飼料用米や、パンやうどんにも使える米粉用の米を作ろうという、自給率の面から見ても積極的な取り組みなのです。
 日本の食料自給率が低い要因の一つは、大豆、トウモロコシ、小麦など、穀物のほとんどを輸入に頼っていること。昨今の食料危機では、世界の穀物価格が高騰し畜産農家などにも大きな影響がありましたが、必要な穀物等は、できる限り自国で賄おうというのが「水田フル活用」という取り組みです。
 しかし残念なことに、年々米の消費が減っています。一回の食事で何杯もご飯を食べていた昔の人に比べて、今はご飯よりおかずを多く食べている傾向があります。
 主食である米の価格が生産コストを下回ると、農業を続けることができません。また、農業生産がなくなると、洪水防止や環境保全といった水田の果たす機能が失われることになります。
 日本の水田で、主食の米は需要に見合っただけの量を作り、残りの水田をフルに使って麦や大豆、米粉用米などを作り、わが国の自給力を高めていくことが重要です。
 農作業をやめてしまうと、その田んぼには草が生え、何年もすると木まで生え、いずれは山や森に戻ってしまいます。先人が切り拓いた貴重な農地を後世に残し、農業を維持していくためにも、JAグループは水田フル活用に取り組んでいきます。

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