JA紀南広報誌

2009年7月号p32-00

2008年7月号もくじ

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陶芸に魅せられて  

 私が陶芸を始めたのは、とある工房の窯焚を見たのがきっかけでした。
 この時、私が見たものは炎が窯の中でうごめいていて、まるで自分の意思を持っているかのようでした。そして、その炎の色は真紅で今にも引き込まれそうに感じたのを憶えています。
 釜の中では灰が舞い散り、粘土、釉薬、焼き方の組み合わせで作る人の個性が反映されます。そんな光景が私を陶芸へと駆り立てました。ちょうどその時、中辺路町で陶芸サークルができたばかりで、すぐに入会を決めました。現在は週に4日サークルに通い、作品作りに励んでいます。

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 始めた頃は、手ひねりで形を整えるだけで、深鉢くらいしか作れませんでしたが、みんなに教えてもらいながら、やがてろくろを回せるようになり、作品の幅がずっと広がりました。
 ろくろを回して形を整え釉薬を塗り、窯に入れて焼く。そのあと窯から作品を出すのですが、割れたり、ひびが入っていたり最初は苦労しました。これは手でこねる作業が不十分で、焼く際に土の中の空気が膨張して割れてしまうのです。
 こうした作品作りの失敗を通して、手でこねるという作業が、陶芸では重要な工程の一つだと知りました。
 土に触れるというのも陶芸の魅力の一つです。冷たい土の感触は心が休まり落ち着きます。ろくろを回しているときは何とも言い難い気持ちになります。呼吸を止めてしまうほど集中し、疲れを忘れさせてくれます。
 今では陶芸をしに行かないと、ストレスが溜まってしまうほどです。気の合う仲間と一緒に行っているというのもストレス解消に繋がっていると思いますが…。
 陶芸のもう一つ楽しみなところが窯だしの瞬間です。今は、サークルの仲間が窯だしをしてくれています。窯だしの最大の魅力は陶器がいろんな表情を見せてくれるところにあります。
 いつまで経っても自分の作品の出来上がりは気になるものですし、同じように作っても、この世に二つと同じものが出来ることはないからです。
 陶芸に出会って、自分が変わったと感じていることは「物を見る目」です。今まで何気に見ていたことも違う目で見るようになりました。これは陶芸を始めて目が肥えてきたのもあると思います。旅行に出かけては、人の作品や昔の作品を見るようにしています。
 現在では家で使っている食器はガラスコップ以外、自分で作った作品の食器を使っています。やっぱり自分で作ったお皿に料理を盛り付けて食べるとよりおいしく感じますし、料理を作るのも楽しくなります。
 そういう意味では陶芸は毎日の生活をちょっと豊かにしてくれると思います。みなさんも陶芸の魅力に触れてみるのはいかがでしょう。 (栗栖川支所管内)

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