JA紀南広報誌

2009年7月号p02-01

2008年7月号もくじ

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 JA紀南だけが生産販売できる小梅の品種「パープルクィーン」。現在生産量は少ないため、市場からの引き合いが非常に強いが、生産者らは将来急激に増産した場合に備え、今から販路拡大に向けた取り組みを模索している。



田辺市下三栖
中村 賢さん

紀南だけの「パープルクィーン」希少価値も今から販路拡大を

 鮮やかなピンク色の色素が出ることで最近注目を集めているパープルクィーンだが、最初に見つかったのは昭和57年と意外に古い。小梅「白王」の枝変わりで、発見者は田辺市中三栖の廣畑治さんだ。
 農水省から新品種としての登録が降りたのが平成8年で、17年にはJA紀南が廣畑さんから育成権を譲り受けた。紀南唯一の小梅として産地化に本格的に取り組み始め、ブランド化を目指して研究会も立ち上げた。
 最初25人ほどだった生産者も、21年産では約320人に増加。現在、研究会の会長を務める中村賢さんは、パープルクィーンの魅力を「ネーミングと鮮やかな色素が出る品種特性がマッチした、高級感漂う小梅」と形容する。
 研究会では他の品種との違いを明確にするため、着色向上を重要視し、〝果実の半分以上着色〟がパープルクィーンとして出荷できることを決めている。また、5月20日過ぎから6月初旬までの短期間に出荷するようにしている。

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 中村さんは、「価格が不安定な青果用小梅の状況を打開できる品種。当然品質も高めなければならない」と足並みを揃えた栽培と出荷を生産者に呼びかけている。
 生産者は増大したが、数量はまだ10㌧以下で、市場の要望数量には遠く及ばない状況だ。極めて希少価値の高い小梅として位置づけられているが、中村さんは今後増大するであろう数量に備え、今からさまざまな仕掛けが必要だと考える。
 「今は数量が少なく価格は高いが、この先一気に生産量が増えても安定価格で売れるよう、少ないうちからどんどんアピールしなければならない」と販路拡大への取り組みを強調する。
 そんな中、研究会では市場や量販店、果実センターに出向いて販路拡大を要望したり、今年産からは1㌔入りの化粧箱を作るなど、徐々に取り組みの幅を広げている。
 今後はジュースや梅酒に続く加工技術の確立も課題となっている。知名度が上がるにつれ、PRの手法や加工方法の多様化なども同時に進めていかなければならず、「本当の意味でのブランド化はこれから」と中村さんは気を引き締める。
 梅全体を取り巻く環境は依然厳しいが、パープルクィーンは今後の取り組み次第で、その果汁の色のように明るい展望を持てる商材だ。そして何より梅産地「紀南」の名前を、さらに全国へと知らしめる存在となり得るだろう。
     (編集部・竹内一寿)

 5月29日、NHKの朝の生番組でパープルクィーンの収穫の模様が全国放映され、全国からJA紀南に問い合わせが殺到した。
紀南勝景 ~その3~

日置川ひきがわ白浜町向平
 熊野山岳地帯に水源を持ち、澄み切った美しさに満ちた流れの日置川。上流の峡谷は大自然が織りなす四季折々の表情を見せる。鮎、アマゴやウナギなどの渓流魚が豊富で絶好の釣り場でもあり、シーズンを通して釣り人でにぎわう。

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