JA紀南広報誌

2009年1月号p02-02

2009年1月号もくじ

2009 新年ごあいさつ
代表理事 組合長 中家 徹

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農業を中心とした地域協同組合に  

新年あけましておめでとうございます。
 平成20年を振り返ると、アメリカのサブプライムローン問題に端を発した金融危機の影響を受け、日本経済も後退局面に入り、特に9月のリーマンショック以降の円高・株安の進行は景気低迷に拍車をかけました。
 政治も1年ごとに総理大臣が代わるという異例の状況が続き、政治も経済も混沌として、まったく先の不透明な状況が続いています。
 そんな中、紀南の最大の作目である梅は、2年続きの価格低迷から脱却すべく、不退転の決意で早くから対策を検討して臨みました。
 生産者の皆さんには、産地と消費地の間で量のミスマッチが起きないよう、よりきめ細かい予約をお願いするとともに、消費拡大対策として、梅宣伝隊を結成し、全国の量販店等で消費宣伝活動を展開しました。
 結果としては、加工業者の需要が旺盛であったことが功を奏し、十分満足とはいかないまでも、単価的には安定した価格で販売することができました。
 ただ、決して青梅需要が活発で安定販売できたものではないことを十分認識する必要があります。
 21年の青梅販売は一層厳しい販売環境になることが予想されますが、梅宣伝隊もさらに強化し、生産者の皆さんにもご協力をいただいて万全を期したいと存じます。
 梅干しについても、中国製ギョーザ事件以降、相次ぐ中国製品の不良品の発生から、国産にシフトしています。紀州梅干しについては、下等級品に目が向けられて格外品が暴騰したため、1タル当たりの平均単価も上昇しました。
 紀州産梅干しが売れることは好ましいことですが、格外品が原形のままで〝紀州南高梅〟として堂々と販売されていることは、紀州梅干しのブランド価値を下げ、A級品の足を引っ張ることになり、産地崩壊につながりかねません。このことについては、関係者の皆さんのご理解とご協力を願いたいと思います。
 もうひとつの柱であるミカンは、裏年にもかかわらず、消費の減退による価格低迷が続き、厳しい販売となりました。しかし、こだわりグループの「天」につきましては非常に評価も高く、今後量的な拡大に努める必要があります。
 いずれにしても、消費者の生活防衛意識は高まっており、農産物の中でも特に嗜好品は、財布のヒモが堅くなっています。引き続き需要喚起に努めてまいります。
 一方では、生産コストが上昇の一途をたどっており、特に生産資材の中心となる肥料や農薬が高騰し、農家経済を圧迫しています。
 JAとしては特別対策を講じてきましたが、今後さらに生産コストの圧縮に努めなければなりません。
 また、鳥獣害対策や農地対策も営農面では大きな課題であり、今後さらに強化に努めてまいります。

 不況感が蔓延する中、生活面でも課題山積です。特に「食」をめぐる問題が大きな関心事となっています。
 世界の食料事情も大きく変わり、世界的な食料不足は現実のものとなって、「お金を出せばいつでも食料は手に入る」という時代は終わりつつあります。そして食料の60%を外国に依存している日本で、安全・安心面で輸入食料に対する不信感から、国産に目が向けられるようになってきました。
 19年にオープンしたファーマーズマーケット「紀菜柑」が、昨年対比約2倍の売り上げとなっているのもその表れでしょう。「地産地消」の志向と生産履歴記帳をはじめ、残留農薬分析の実施など安全・安心に配慮していることも認識されつつあると考えます。
 このような状況は農業にとっては追い風であり、現在JAグループでは、国産農畜産物のPR活動として「みんなのよい食プロジェクト」運動を展開していますが、引き続き、自給率の向上を訴えてまいります。
 また、JA紀南では昨年食農教育プランを実施しましたが、今後食農教育活動は一層重要となり、積極的に進めます。

 JAの経営面では厳しい事業環境が続いていますが、組合員の皆さんはじめ多くの方々のご協力をいただきながら取り組んでいます。
 合併後の課題である不良債権問題については、債権処理の特別チームを結成して精力的に取り組み、19年度末には部分償却を実施し、不良債権比率を引き下げました。
 貸倒引当金もようやく山を越え、以前のような大きな引き当ては今のところ必要なくなり、今後はさらに債権回収に全力を傾注してまいりたいと思います。
 それに代わり、経営面で新たに対応しなければならないのが、平成17年度から導入されている減損会計です。場合によっては組合の収支に大きく影響を与えることになり、それに対応できる収益基盤の確保が必要であります。
 支所機能再編につきましては、19年度に引き続き、20年11月に串本地区、すさみ地区で実施しました。多少の利便性を損なう部分はありますが、「組合員の庭先が窓口」との考えのもと、渉外体制を充実することにより、大きなトラブルもなく、経過しています。今後とも組合員の皆さんのご理解をいただきながら、構想の実現に努めてまいります。
 施設整備につきましては、Aコープ紀南なかへち店を移転新築し、「熊野古道なかへち」としてオープンし、くしもと店も改装を行って、「VASEO(ヴァセオ)」として再出発しました。一方、30年の長い間、皆様にご利用いただきましたAコープ万呂店は閉店いたしました。
 また、富田川梅選果場が新たな選果機導入のもとスタートし、梅の4選果場体制が確立しました。
 今後とも引き続き財務状況とともに、投資効果を見極めながら、施設整備を進めてまいりたいと存じます。

 今日の協同組合は、熾烈な競争激化の中、法的にも制度的にも協同組合らしさが喪失されつつあり、組織基盤の脆弱化が大変心配されます。今一度、協同組合らしさの復活とともに、基盤強化に向けての対策が重要になります。
 また、協同組合運動のカギを握るのは事務局を担当する役職員です。この人材力が組織の盛衰を決めると言っても過言ではなく、改めて人材育成に努めてまいります。
 21年秋には3年に一度のJA大会が開催されますが、農業やJAを取り巻く環境が激変する中で、今こそJAの存在意義が問われようとしています。
 JA紀南は引き続き、「農業を中心とした地域協同組合」を指向し、〝元気な地域農業づくり〟、〝元気な地域社会づくり〟、〝元気なJAづくり〟の3づくりに役職員一丸となって邁進します。
 本年も、皆様の絶大なるご支援、ご協力をお願いするとともに、皆様にとって素晴らしい年でありますようご祈念申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。 また、富田川梅選果場が新たな選果機導入のもとスタートし、梅の4選果場体制が確立しました。
 今後とも引き続き財務状況とともに、投資効果を見極めながら、施設整備を進めてまいりたいと存じます。

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