JA紀南広報誌

2008年6月号p27-01

2008年6月号もくじ

平々凡々が最高の幸福  

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 私がJA女性会会員となり、早いもので30年ほどになります。当時は婦人会や女性会に入会することは、主婦になれば、姑からすぐバトンタッチするのが当たり前でした。
 でも、今はこの頃とは個人の価値観も変わり、自分の意思表示もしっかりしているので、脱退する人が増えてきました。少し寂しい気もします。
 子どもが小さい頃は、子育てや家事、仕事に振り回され、忙しいなか、女性会の旅行やいろいろな活動に参加することだけが、唯一のストレス解消であり楽しみでした。
 当時は年上の役員さんにお世話になってばかり。「いつか役をさせてもらう立場になった時には、一生懸命やらせてもらおう」と思っていました。
 その転機は、10年ほど前に訪れました。
 JA紀南に「夢工房」ができてから味噌造りを習いました。支部でも「味噌作りをしたい」という声が出て、グループができました。
 初めは失敗の連続でしたが、3年目くらいから、とてもやわらかくて美味しいお味噌ができるようになりました。
 みんなで協同作業を4~5日して、できあがったお味噌と金山寺味噌を持ち帰る時の満足感は、何とも言えません。
 その時、同じ価値観の人たちと出会い、さらに女性会活動が楽しくなってきました。
 もうひとつは、JA中芳養支所店頭に設置しているフリーマーケットです。3年前に当時の支所長さんに頼み込んで始めさせてもらいました。
 中芳養には市営団地などに農家でない人々が多く住むようになりました。家庭用に作った野菜や果物を安く売れたら、地域の人たちにも喜ばれ、自分たちも張り合いになって元気になれるのではないかなあと思い始めました。
 最初、メンバーは3~4人でしたが、今では11人になり、毎日楽しんでおります。
 女性会とは別の話ですが、私たちの地域では婦人会が解散しました。しかし、このままでは寂しいなと思い、有志で「花の会」として引き継ぐこととなりました。空地に花を植えるボランティア活動を始めたのです。
 花の好きな人たちが集まっていますので、大変楽しくやっています。空地が花いっぱいになった所を見ると、自己満足かもしれませんが、心が満たされる思いです。
 これらの活動は、これまでの自分を変えるきっかけとなりました。生活にメリハリができて、農繁期も頑張れるし、時間の使い方も仕事も段取り良くできます。
 これも、主人をはじめ、家族の協力のおかげと思って感謝しています。でも実は、主人の手のひらで踊らされているのかもしれませんね。
 主人は糖尿病で心筋梗塞にもなり無理ができません。自分の楽しみを見つけてほしいのですが、「家でボチボチと仕事ができることが一番幸せだ」と言います。
 また、家が一番落ち着く場所だとも。それに甘えて、私は自由に女性会活動に参加させてもらっています。
 先日、細木和子さんのテレビ番組で「中年夫婦は1週間に1日ほどは束縛しない別々の行動をするのが仲良く続ける秘訣」と言っていました。
 専業農家の私たち夫婦は若い時から毎日一緒ですので慣れていますが、中年になってくると、1週間に1日くらい別行動をする日がある方がお互いのためだとも思います。
 若い頃は人に言えない悩みがあり、つらい時期もありました。そんな時、ラジオの悩み相談で「起きてしまったことは受け入れましょう。これからどうすれば一番良いか考えましょう」という話を聞き、悩みごとに負けていては、共倒れになってしまうと思うようになりました。
 何事もマイナス思考で考えないで、プラス思考でいこうと自分の心がふっ切れました。
 世界で、宗教や思想の違いでぶつかりあっているのを見ると、そのしわ寄せがみんな弱い子どもや女性にのしかかってきて大変な思いをしているのを、テレビで見ます。
 生まれてくる時は時代と場所を選べませんので、今の日本に生まれてきて本当に幸せに思いますが、いろいろなジレンマが自分の中にあります。
 人間とは自分勝手なもの。時には人を羨んだり、ねたんだり、ひがんだり、さげすんだりするもので、まだまだ修行が足りないなあと自問自答する毎日です。
 友だちは「自分が家族にとって、友だちにとって、社会にとってなくてはならない存在にならなあかん。女性会のお世話をさせてもらうことは、家族みんな健康で円満ということやから喜ばなあかんで」と言って励ましてくれます。
 平凡な生活は、時には退屈ではありますが、それがどんなに幸せかを痛感します。家族が健康に気をつけ、そこそこに楽しみ、そこそこ働けることに感謝したいと思います。
 これらは、体の健康な限り、家族の理解が得られる限り、ボチボチ続けたいと思います。
 心豊かに暮らしていくためには、人に与えてもらうのではなく、自分で見つけていくもの。女性会に入って何のメリットがあるのかと言われますが、物質的、金銭的な物ではなく、「心を豊かにするメリット」だと思います。
 今後の長い老後を楽しくしていくために、これからも平凡な生活がいつまでも続きますように……。

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