JA紀南広報誌

2008年10月号p6-03

2008年10月号もくじ

クアハウス白浜で県青年大会
梅のPR強化でブランドづくりを
那須誠さんが活動実績を発表  

和歌山県農協青年部協議会主催の「JA和歌山県青年大会」が7月29日、クアハウス白浜で開かれ、JA紀南青年部からは「活動実績の部」で那須誠さん(三栖支部、田辺市下三栖)が発表した。惜しくも最優秀賞にはならなかったものの、特産物である梅の県内外へのPRの必要性、オリジナルTシャツや帽子を作っての独自の活動などを力強く話し、会場の共感を誘った。紀南の部員らは、全員梅のロゴ入りTシャツを着て那須さんを応援するなど一体感が全面に出た発表となった。本誌では発表内容の要旨を紹介する。


活動実績の部
〝梅〟に誇りを持ったぁる
青年部三栖支部 那須 誠

画像の説明

梅消費PRを活動の中心に

 梅とミカンの栽培が盛んなJA紀南の中で、私が住む三栖地区は、最大の梅生産量を誇る地域です。その中で活動する青年部三栖支部は、35人在籍しています。
 梅は、数年前から慢性的な価格低迷が続き、天災も重なるなど、現在、経営的に大変難しい時代に突入しています。
 経営難の打開策としては、「農家個々の経営内容の改善をはかる」ことが最優先ですが、青年部活動としては、「梅の消費PRに取り組み、消費量アップをはかる」ことが、1つの方法であると考え、「梅消費PR」を支部の中心活動としました。
 梅消費PRの内容は、ビジネスで使用される「5w2h」に当てはめて検討しました。「5w2h」とは、人数、内容、時期、場所、どんな目的、実施方法、経費を考え、物事を具体化する方法です。
 その結果、田辺市と青年部の合同活動である園田女子大学(兵庫県尼崎市)の学園祭と、毎年11月に行われる田辺農林水産業まつりで、支部独自の「梅消費PR」を実施することにしました。
 活動のポイントは、①キャッチフレーズを作成して利用する②オリジナルTシャツとキャップ(帽子)を制作し、着用して視覚的に活動を訴える③簡単梅料理の試食を実施し、レシピの配布で料理の促進をはかる④生産者の目線から独自アンケートを作成し、回収・取りまとめまで自分たちで行う⑤紀南をPRするPV(プロモーションビデオ)を放映する。この5つを基盤にして、PR活動を実施しました。

PR方法の具体的な内容

 キャッチフレーズは、「I Ume ranger」にしました。デザインの意図は、三栖地区の梅農家を「ウメレンジャー」というグループに位置付けます。「INY」をもじって、梅の花に置き換えたものです。
 am・love・supportの巣語が入るイメージとし、青梅の「緑」と、梅干の「赤」をイメージする配色にしました。このデザインを、支部の「梅PR活動」に一貫して利用しました。
 Tシャツと帽子については、①色は梅の経営が「黒字」に向くように「黒色」を採用②ロゴは梅をイメージして、赤い文字に白い花と、緑の文字にピンクの花の2種類③梅の紋は、梅の花の中に、「MISU」の文字を入れ、梅産業の中心に三栖地区があることを表しています。
 Tシャツを三栖支部全員に、帽子は農林祭の出席者全員に無料配布し、各自PR活動に利用してもらいました。
 梅料理の普及は、自宅でも簡単に料理可能な「梅じゃこご飯」と、さらに若者がおいしく飲める「梅シロップの牛乳割り」に決定し、試食・試飲をすることに。色画用紙に、2種類のレシピを両面印刷して、配布と自宅での料理促進もPRしました。
 消費者向けの梅のアンケートについては、①梅干しのブランド力②梅PR実施方法の有効性③試食・試飲料理の認知度と感想という3項目に関するアンケートを作成しました。
 梅PR用のPVは、①紀南の観光名所を特急くろしおの音声ガイダンスで案内②三栖地区の中学生の学童保育の様子③JA紀南制作の各種調理方法の映像の3点を作成し、繰り返し再生でPRするものです。

女子大と農業祭で活動を展開

 活動の第一弾となった園田女子大の学園祭では、大学側との準備調整不足があり、衛生的な問題で、試食・試飲の大々的なPRはできませんでしたが、梅じゃこご飯と梅シロップの牛乳割り、PV放映を行いました。
 田辺農林水産業まつりでは、地元の各種団体が集まるお祭りなので、梅じゃこご飯は別団体と内容が類似するので実施できず、梅シロップの牛乳割りは、「熱処理をしない生モノの牛乳を利用する」という理由で禁止され、その結果、アンケート調査と、回答者全員に、レシピと梅干し2個入パックを無料配布する形でPRしました。
 梅干し無料配布の効果もあり、開始後90分で対象の100名分のアンケート回収ができました。また、Tシャツやレシピ、PRパンフ等に、「紀の国戦隊 紀州レンジャー」の「ウメレンジャー」をイラスト等で利用しており、著作権の使用許可申請を行いました。「地元産PRで利用する」のと、「営利販売目的でない」ことで、使用を快諾してもらえました。
 梅PR活動の内容検討では、「必要経費の捻出」が一番時間を要して苦労したように思います。
 さて、これら2カ所でのPRで得られた「梅に関するアンケート」では、園田女子大では、144名、農林祭では99名の回答をいただきました。双方とも女性回答者の比率が高い値となりました。
 園田女子大では、10~20代の学生層で約半数を占め、農林祭では、50代以上の年配層が大半を占めました。集計結果は、生産者の予想と違う結果となったので、その一部を説明したいと思います。
 産地表示で「紀州・紀南・みなべ・さつま・国産・中国産」の6つのどの順番で購入するか回答をお願いしたところ、県外の若年層では、みなべ産・紀南産の区別はなく、「紀州産」のイメージの強い結果が出ました。しかし、地元の人や高齢者層になると、「梅干し」=「みなべ産」のイメージが定着しているようです。
 梅の消費拡大を図る方法としては、「価格を安くする」が突出すると想定していましたが、「店頭での宣伝販売」や「学校給食等に無料提供」も、同等の有効手段だと消費者は考えているようです。
 梅シロップの牛乳割りの知名度は、園田女子大13%、農林祭34%とどちらも低いようです。梅じゃこご飯は、農林祭でのみ調査しましたが、61%と地元では意外と知られていました。
 試食・試飲を行った感想は、予想以上に好評で、簡単な料理なので、大勢の女子大生たちが、レシピを見て、「自分でも料理してみる」「おいしい!」といった声を直に聞くことができ、PR効果を肌で感じました。

「梅宣伝隊」で良い刺激

 今年から青梅の消費拡大のため、全国のスーパーや量販店の店頭でPRしようとJAが結成した「梅宣伝隊」に青年部からも9人参加。生産者組織とJA職員ら約40名で構成され、私もメンバーの一人としてPR活動を行いました。
 ただ単に、「梅宣伝隊」からの要請に応じて活動するだけでは、青年部として梅の消費PRにはならないと考え、独自のPR活動を実施しました。
 まずキャッチコピーを考え、Tシャツとキャップ、特大名札を製作し、着用してPRを実施しました。キャッチコピーは、"I'm proud of ume"です。
 デザインの意図は、「私は梅に誇りを持っています」という宣言を英訳しています。梅の部分には、梅の栽培、生産した青梅、自家干しの梅干し、販売する梅商品と、幅広い意味を持たせるためにイラストに置き換えています。
 産地PRのために、紀州・紀南を表記し、内容が伝わるように、「梅に誇りを持ったぁる」と方言を用いて日本語訳を記しています。
 「梅宣伝隊」の感想は、特大名札には、「生産者」と「氏名」を大きく表示したので、生産者が店頭PRしているのが伝わったと感じました。消費者と直接会話を交わすことで、自分にも良い刺激になったと思っています。

日本一の梅産地に向けて

 梅消費PRで作成したデザインは、さまざまな方面で活用して、紀州・紀南産の梅PRに利用する構想があります。
 現在考えている今後の展開は次の通りです。
①梅宣伝隊のキャッチコピーに利用してもらうよう要望して、梅宣伝隊全体のアピール手段とする。
②青年部や生産者に話を持ちかけ、帽子等を着用してもらい、「梅に対する誇り」を地域全体で発信できる体制を作る。
③ステッカーを製作し、生産者が各自軽トラに貼り付けて、「梅PR車」として盛り上げる。
④全農主催の「立て看板コンテスト」に参加し、このキャッチコピーを全国に発信する手段とする。
⑤一般消費者向けの梅PR商品を製作し、地元のファーマーズマーケットである「紀菜柑」等で、紀南のお土産として店頭販売してPRする。
 この5点について、梅消費PRを通じて地域貢献できるよう、活動を実現したいです。「私は、紀州・紀南産の〝梅〟に誇りを持っています」。発表の場を借りて、少しでも大勢の方に紀州・紀南産の梅をPRしたいです。
 私の最終目標は、梅PR活動を通じて、〝日本一の梅産地としてのブランド力を身につける〟ことです。実現するよう「梅PR活動」を継続していきます。

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