JA紀南広報誌

2008年10月号p28-01

2008年10月号もくじ

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山と出合い  

 きっかけは忘れましたが日本百名山を目指して、もう10年くらい経つと思います。そして登った山は50余りを数えます。
 そのたびに危険な目、しんどい目に遭い、もう「やめた」と思いながらも登り続けたのは、何もかも忘れ、必死の思いで登りつめた時の満足感、頂上から見る雄大な景色、途中の美しい草花があるからでしょうか。

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 先日グループで涸沢、奥穂高岳、前穂高岳、岳沢、3000㍍の登山に挑戦しました。今までの登山の中では一番えらいといわれていましたが、こんなに大変な山だとは思いもよりませんでした。
 厳しい絶壁、そそり立つ雪渓、一歩一歩と踏みしめ踏みしめ歩み続けるのです。それも重たいリュックを肩に背負って……。
 こんな厳しい山道でも、たくさんの人々や集団に出会ったのはびっくりしました。山は今がラッシュです。
 そんな中、一人のおばあさんに出会いました。粋な帽子、赤いリュック、赤い手袋。聞いてみると78歳だそうで、とても思えませんでした。
 それもたった一人で、槍ヶ岳に3泊しての帰り道とのことで2度びっくり。赤い手袋をぬいで握手をしました。とてもとても78歳の手とは思えません。このおばあさんを見ると「私もまだまだ登れる!」、そんなパワーをもらいました。
 また、高校生と思われるグループとも出会いました。グループの中で一番小さく、弱そうな子どもが大きなリュックを背に、よろよろと歩く姿がありました。
 後についてくる先生が「ガンバレ、ガンバレ!」と声を掛け続けていましたが、必死に歩くその子どもの姿に感動しました。
 そんな子もいれば、世の中には少しのことで「むしゃくしゃしたから誰でもよい、殺したる」などという子もいます。そんな甘えた気持ちだと、登山では一歩間違えば谷底に転落死。必死の行動の前には吹き飛んでしまうのではないでしょうか。
 「可愛い子には旅をさせろ」とはよく言ったものです。この子どもは人生の山も乗り超える力をつけたことでしょう。
 山に登って美しい草花などに出合うと、共にお互い助け合う姿、必死に頑張る姿、いろいろな姿に出合うものだと、つくづく感じます。
 私も、もう70歳。登山も、もう終わりかと思ったのですが、足が続く限り、あの時出会ったおばあさんのように登り続けたいと思います。
   (市ノ瀬支所管内)

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