JA紀南広報誌

2008年10月号p12-01

2008年10月号もくじ
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◆極早生、早生早期型の収穫

 10月に入ると「ゆら早生」、「上野早生」、中旬には「早生ミカン」の収穫が始まる。品質のバラツキを極力少なくするためにも、園地別はもちろん、木の状態や結果部位を区別して採果することが望ましい。採果の際には、ハサミ傷をつけない、軸長にならないための2度切り、収穫カゴからのコンテナへの移し替えなどに注意し、傷みや腐敗をなくすよう、果実を大切に扱おう。

◆病害虫防除

○秋ダニ
 晴天が続き、気温が高い年に発生が多くなる。ダニに加害されると果実の着色や光沢が悪くなり外観を著しく低下させる。防除として、オマイト水和剤(750倍・7日前まで・2回以内)、またはマイトコーネフロアブル(1000倍・7日前・1回)を散布する。なお、オマイト水和剤は着色が進んでから使用する。ただし、ミカンを除くかんきつは使用基準が異なるため注意する。

○サビダニ
 近年、10月でも気温が高く乾燥することが多く、サビダニが多発する場合がある。被害が多くなると果実が茶褐色になる。また、冬期は芽の隙間に入り込み越冬し、翌春被害を引き起こす場合がある。防除として、サンマイト水和剤(3000倍・3日前まで・2回以内)を散布する。

○褐色腐敗病
 収穫時期に暴風雨があると、土壌からの泥ハネによって果実が感染する。被害果実は2次感染を起こすため、速やかに園外に持ち出そう。防除は、アリエッティ水和剤(400倍・前日まで・3回以内)、またはストロビードライフロアブル(2000倍・14日前まで・3回以内)を散布する。

○青カビ・緑カビの防除
 収穫の際など十分に気を配っていても、青カビ・緑カビ等が発生しがちである。対策として、ベフラン液剤25(2000倍・前日まで・3回以内)、またはトップジンM水和剤(2000倍・前日まで・5回以内)を散布する。ただし、ミカンを除くかんきつは使用基準が異なるため注意する。

◆マルチ被覆後の再点検

 温州ミカンの高品質生産にあたって大切なマルチ被覆だが、夏秋期の降雨から水分吸収を抑制し、樹体にストレスを与えて品質向上させるのが主要目的である。
 そのため、せっかく被覆したマルチも強風などにより剥がれていれば、そこから水が入り効果がなくなる。特に台風などの前には、マルチ押さえ資材などでの補強点検、雨水の排水経路の確認(必要であれば排水溝を設ける)などを行う必要がある。

◆浮皮対策

 浮皮は、果実が熟成する一方、果皮が継続して生育するアンバランスによって発生し、着色期に雨天などから高温多湿条件や窒素過多の状態で助長される。対策は、園内の日当たりを良くし、風通しを良くして乾きやすい環境にする。
 果皮組織を強化する水溶性カルシウムの2~3回の散布(セルバイン300倍・生理落果終了から着色期までに20~30日間隔で2~3回)、またはホタル尻期にフィガロン乳剤3000倍(14日前まで・浮皮軽減で2回以内・総使用回数で4回以内)の散布も効果的だ。

◆秋肥の施用

 秋肥は樹勢に応じ施用量を調節して行う。冬期の耐寒力と翌春の開花、結実を促進し、隔年結果是正のカギとなるため、施肥遅れのないように進める。地温が15度以下になると吸収が鈍り、施用が遅くなればなるほど効果が薄くなる。10月下旬までに施用するのが望ましい。

◆夏秋梢の整理

 今年の早生ミカンは、裏年の園が多く、着果不足園では夏秋梢が多く発生している。夏秋梢の整理は、翌年の春枝の発生を促し、隔年結果を是正するために重要な作業である。
 樹勢の弱い枝は春芽の節目まで切り戻す。強い枝は元まで切り戻す。また、強い枝でも誘引できそうな枝は、先端2枚程度を軽く切返して、翌年の結果母枝として活用する。

 (秋津谷営農室・田ノ瀬佳男)

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