JA紀南広報誌

2008年10月号p05-01

2008年10月号もくじ

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皆んなで!  

 「潮目が変わった」
 私たちの大先輩で、私が師と仰ぐ久保前専務がよく話された言葉。言い得て妙。だが、燃料が高騰して船を進めるのも儘(まま)ならぬ現在。ましてや今、次の潮目を探すにしてもである。
 しかし、波間にただ漂っていてはやがてサメの餌食。サメのフンになる前に、知恵を働かせて少ない燃料で別の潮目を探すのが我々のつとめ。
 とすれば、一人で動くよりできるだけ眼の数を増やすのが得策。眼の数が多いほど、獲物を見つけるチャンスも多くなる。潮の変化も確実につかめる。
 また力を合わせれば、我々を狙うサメさえも獲物となり得る。そして少ない獲物でも、皆で分かち合う。何をするにも皆んなで知恵と力を合わせて…。
 先だって新聞やテレビで漁業関係者の一斉休漁が報じられていた。燃料油の価格高騰に抗議しての行動であるが、あなたはニュースを見てどう思われたことか。
 同じことが農業で可能か?すぐそのことが私の脳裏をよぎった。農業と漁業、同じに論ずるわけにはいかないが、一致して同じような運動ができるのであろうか?
 「板子一枚下は地獄」とは漁業関係者がよく口にする言葉。そこには助け合わなければ生きていけない現実がある。農業は、常に死と対峙しなければならない漁業とは、根本的に違うと思うが如何か?
 そして、もう一度、農業は?
 農業も今、生きるか死ぬかの瀬戸際。危機感を持って結集を!

自給率が 40%に回復

 カロリーベースの自給率が40%台に回復した。
 外的な要因での自給率の上昇である。その背景には、世界的な穀物価格の高騰がある。その結果、米の消費が伸びて、自給率を押し上げた。
 しかし私たちの生産する農産物の価格は、低迷したままである。今年の米の作柄も、どうやら豊作傾向のようだ。米の価格は作柄に影響され、あまり高望みはできないかもしれない。
 一方で、米関連業者の業績は非常に好調だそうだ。8月21日付の日本農業新聞によると、米卸大手は平成20年度第1四半期の業績を大幅に伸ばしている。
 また米の関連産業では、ふりかけ、お茶漬け、煮豆や佃煮等軒並み業績アップ。牛丼も健闘しているということだ。回転寿司は、価格帯で差が出ているとのことだが、今の消費者心理が如実に表れているような気がする。
 いずれもその底辺を、安い米が支えている形だ。農家はたまったものではない。
 国も食糧の自給率向上に本腰を入れ始めたようだ。私たちも農業の生産現場を国民全体に知ってもらい、コンセンサスを得られるよう取り組んでいきたい。
 時代の波に押し流されず、安全で安心して食べられる食糧を、国民に安定的に供給するという使命を忘れることなく一歩を進めよう。

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