JA紀南広報誌

2008年10月号p03-01

2008年10月号もくじ

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紀南きっての梅どころ、田辺市の三栖地区では、JAや行政、生産者が連携し、地元中学生に梅産業について学習する場を提供している。そこには、生徒に農業の大切さや苦労を学んでもらうこと、そして「全国に誇れる地元の梅を知ってほしい」という生産者の強い願いがある。 梅体験学習と支援活動三栖生産販売委員会、田辺市立衣笠中学紀州田辺うめ振興協議会

全国に誇れる地元の梅を知って
やりがいや苦労もすべてが学習  

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平成12年から学校教育に「総合的な学習の時間」が導入され、題材の一つに農業学習を取り入れる学校が増えた。田植えや稲刈り、野菜づくり、ミカン狩りなど、子どもたちが田んぼや畑で体験する姿をよく見かけるようになった。

 そんな中、JA紀南と田辺市でつくる紀州田辺うめ振興協議会では、子どもたちに基幹作目である梅への関心を持ってもらおうと、平成15年から「小中学校への梅体験学習支援」を活動に位置づけ、参加を呼びかけ始めた。

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 協議会が支援するのは、梅の加工方法や効能などを伝授する講師の派遣、加工体験にかかる材料の提供、受け入れ農家の選定など。本年度は、田辺市の衣笠中学校と田辺第一小学校から申込みがあった。

収穫や天日干しの体験
地元の梅生産者が支援

 衣笠中学校では「地元の産業である梅について知識を深めよう」と、1年生が梅の収穫、ジュースづくり、梅の天日干しなど一連の作業を体験する。働くことの意義、そこから得られる喜びや苦労などを肌で感じることが狙いだ。
 その学習を全面的に支援しているのが、JA紀南三栖生産販売委員会の梅生産者たち。収穫時の園地提供、天日干し作業での手ほどきなど、農繁期にもかかわらず生徒たちの受け入れを歓迎している。
 取り組み初年度に委員長だった田辺市上三栖の小川均さんは、「非農家の子どもが多くなっている中、主産業の梅について少しでも知ってほしいというのが私たちの願い」と話す。
 小川さんは、生徒らに作業を体験してもらうだけでなく、積極的にコミュニケーションをはかるよう心掛けている。一時的な体験だけでは見えない苦労やこだわりをありのまま説明する。そこから梅がどれだけ手間暇をかけて作られているかを学んでほしいと思うからだ。
 衣笠中の佐藤誠一校長は「農家の皆様の協力に本当に感謝している。生徒自らが体験することで、梅ができるまでの苦労ややりがい、さらに地域とのつながりも感じ取ってほしい」と学習の成果を期待している。

一連の作業を通じて
将来の良き宣伝マンに

 9月4日、三栖地区20戸の生産者が生徒を体験に受け入れた。ドブ漬けの梅をセイロに並べて干す作業や選別、干し梅をひっくり返すといった内容だ。
 現生販委員長の掛田一史さんの作業場には生徒5人が訪れた。慣れない手つきながらも作業を黙々とこなす姿を、掛田さんは温かい眼差しで見守っていた。
 体験した生徒からは「作業は大変だけど、気持ちいい汗をかいた」「身近にある梅のことを意外と知らなかった。学べて良かった」といった感想が聞かれた。
 掛田さんは、「この地で生まれ育った子どもたちが、やがて都会で就職、結婚したときでも、この梅の香りを思い出してほしい。そして将来、よき消費者であり宣伝マンとなってくれれば、それだけでも意義のあること」と胸の内を明かした。
 質・量ともに全国に誇れる紀南の梅。その工程のほとんどを体験した生徒の口から将来、「地元の梅は最高や」「買うならやっぱり紀南の梅」との言葉が出てくれたら…。生産者らはそんな願いも生徒に託している。(編集部・竹内一寿)

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