JA紀南広報誌

2006年1月号p02-01

2006年1月号もくじ

農業のため 地域のため 存在価値のある JAづくりに全力  

代表理事 組合長
中家 徹
 新年あけましておめでとうございます。皆様方には、おそろいでよき新春をお迎えのことと、心からお慶び申しあげます。
 昨年を振り返りますと、合併3年目を迎えたJA紀南は、平成16年度決算で貸出金に対する大幅な引き当てを余儀なくされ、赤字決算を総代会でご承認いただきました。忸怩たる思いが続く中、役職員一同、より存在価値のあるJAをめざして取り組んでまいりましたが、回復基調に転じたという日本経済とは裏腹に農産物は総じて厳しい販売を強いられ、頭の痛い日々の続く1年でありました。

梅振興へ2月に生産者大会

 当初不作といわれた梅は予想外の生産量となり、量のミスマッチに加え、安価を求める消費者指向や梅漬け離れによる需要減退で青果販売は大変苦慮しました。梅干しも安い中国梅や紀州産でも下位等級品が売れるという状況で、肝心のA級品の流通が停滞し、在庫が多く、予約数量を予定通り買い入れできない状況が続きました。
 そのため年末には予約申込みに対する概算払いの制度を創設するとともに、生産者の皆さんはじめ役職員あげて梅干しの消費拡大運動に取り組んだところです。
 梅の動向が地域農業の将来を大きく左右すると言っても過言ではなく、加工業者、行政と一体となって対策を講じる必要があり、いま一度、現状を認識し新たな振興に向かうため、今年2月には〝梅生産者決起大会(仮称)〟を開きたいと思っています。
 また昨年は、一昨年に比べて台風も少なく、ミカンなどの農産物は全般に作柄が良く、品質も悪くなかったわけですが、売れ行きは良くなく厳しい販売になりました。
 とりわけミカンは年末も価格は回復せず、ミカン、リンゴ、柿という日本を代表する秋の果物がすべて低価格で動き、あらためて消費減退を痛感しました。少子高齢化が進み、人口減少時代に入る中、農産物全般にわたる消費拡大対策が大きな課題となっています。
 農業を営むうえで年々被害が拡大し、大きな問題となっているのが鳥獣害問題です。防衛対策はもちろんですが、何と言っても増えすぎた個体を減らさなければならず、すでに農家自ら取り組んでいますが、今後も種々の規制緩和や補助制度などを要望し、行政と連携して対策を講じてまいります。

WTOなど日本農政も正念場

 農政も大きな転機を迎えています。国際的にはWTO(国際貿易機関)農業交渉があり、昨年末の香港閣僚会議では、上限関税の導入や重要品目の限定など多くの論点を今年に持ち越しています。年末の決着に向け日本農業の存亡をかけた交渉が続くことになり、まさに正念場の年になりそうです。
 国内的にも「食料・農業・農村基本計画」に基づく経営所得安定対策などの大綱が示され、担い手を明確にした中で従来にない政策が展開されようとしています。
 さらにJAにとって大変気になるのが、政府の諮問機関である規制改革・民間解放推進会議から出た「JA事業分割論」です。
 まったく筋の通らない、JAの実態を知らない暴論ですが、万が一にも信用、共済、経済の事業分割が現実となれば、まさにJAは解体の道を歩むこととなります。
 昨年末の最終答申は結論が先送りとなっているものの、いつ再燃するかもしれず、財界主導の理不尽な論議には断固として反対せねばならず、今後の動向を注視しながら迅速な対応が求められます。

支所機能再編の計画実践へ

 JA紀南は今年4月に合併4年目に入ります。
 少しずつ融和がはかられ平準化が進んでいるものの、まだ多くの課題が山積しており、昨年スタートした「中期経営計画」と、現在策定している「農業振興計画」の情勢変化を見極めながらの着実な実践が重要となるでしょう。
 中でも大きな改革が支所機能の再編です。昨年のプロジェクトチームの検討結果に基づいて理事会や専門委員会で協議し、11月に地区運営委員会連絡協議会で説明申しあげ、各地区の運営委員会で協議いただいているところです。
 農業とJAを取り巻く環境変化は、今さら申すまでもなく厳しいものがあり、その変化に対応していかなければ、未来永劫、協同組合運動を展開し組合員皆さまの期待に応えることはできません。
 JA運営にあって、何と言っても、組合員皆さまとの接点である支所機能が非常に重要であります。可能な限り利便性を確保しながら、皆さまのご理解を得て時代の変化に対応してまいりたいと存じます。
 農業振興計画については、昨年プロジェクトチームを発足し、生販委員長の皆さまを中心に策定協議にご参加いただき、先進地視察なども行って熱心にご協議をいただいております。
 2月の成案に向け作業を進めていますが、田辺から串本の広域にわたる農業の将来像を描くにはあまりにも地域ごとの農業基盤の格差が大きく、これを画一的に論じることはできません。できるだけ各地域で実践可能な具体策を掲げ、あらためて組合員の皆さまにお示ししご意見を賜りたいと思います。
 計画は策定が目的ではなく、いかにして実践するかです。平成18年度以降、組合員皆さまとともに具体的な実践に努めてまいりたいと思います。

強固な組織づくりに全力

 JA経営にあっては、財務が健全であることは安全・安心の指標でもあり、皆さまから信頼を得るための大きな要素であります。
 不良債権の処理対策も相当な精力を注いでおり、長引く不況に加え金融検査マニュアルの強化や減損会計の導入など、新たな会計制度の適用も求められているところですが、なお一層の健全化に向けて取り組んでまいります。
 JAは人の組織であり、人的結合体だと言われますが、一方では高齢化、過疎化が進み、他業態の進出や熾烈な競争の中、JAの最大の強みである組織基盤が弱体化しているのも事実であります。
 「農業を中心とした地域協同組合化」という進む方向をあらためて認識し、営農振興とともに地域住民の皆さまにもJAファンになっていただいて組合員化をはかり、さらに強固なJAの組織基盤づくりに努めてまいります。
 世の中が激変し従来の価値観でははかることのできない時代です。
 現実を直視し、今後も「元気な地域農業づくり」「元気な地域社会づくり」「元気なJAづくり」の3つの役割を再確認し、相互扶助の精神を忘れることなく、役職員一同全力を傾注してまいりますので、皆さまの積極的な参加、参画をお願い申しあげます。
 今年も皆さまにとって幸多き年でありますことを祈念申しあげ、新年のごあいさつとさせていただきます。   (平成18年 元旦)

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