JA紀南広報誌

2005年4月号p02-02

2005年4月号もくじ

樹冠上部摘果の必要性  

南予分場の高木場長が講義  

儲かるミカンセミナーに約180人
樹冠上部摘果に対応した剪定の実演を見る生産者

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 JA紀南みかん部会(中山稔部会長)は3月15日、ミカンの「樹冠上部摘果」技術の第一人者で知られる高木場長を田辺市上秋津に招き、「儲かるみかんづくりセミナー」を開いた。180人が参加し、ミカンの剪定や摘果など高品質栽培ポイントを学んだ。
 樹冠上部摘果は、隔年結果の是正や高品質生産、浮き皮の軽減等に効果が実証されている摘果方法だ。
 上秋津の早生ミカン園で高木氏は樹冠上部摘果に対応した剪定の技術を実演。「基本的に軽い剪定に心がけ、立ち枝の間引きを中心に1割程度剪定しよう」との説明に生産者らは真剣に聞き入った。
 樹冠上部摘果に関しては「表年の木から始めることに隔年結果是正の効果があり、6月上中旬には上部4割を全摘果する。梅の収穫期で忙しいが、摘果剤を使って実を落とすことが大事だ」と話し、翌年に着果する夏芽をいかに早く出させるかをポイントに挙げた。
 上部摘果した翌年(2年目)の管理については「剪定は極力せずに夏芽は出させない、新梢がある程度発生しフトコロによく成っている木は主枝の先端から50㌢を全摘果し上向きの果実も摘果する」とのアドバイスがあった。
 その後、JA上秋津支所に移動し、高木氏が温暖化におけるミカン作りについて講演。「果皮が柔らかい温州ミカンは浮き皮など温暖化の影響を受けやすい。年間平均気温が上がり、ミカンの適地と言われた所が作りにくくなる中、それに対応するため、樹冠上部摘果をはじめとする栽培技術の確立が必要だ」と訴えた。
 また、中晩柑は比較的温暖化には左右されにくいとし、紀南でもポンカン、デコポン、「せとか」などの有望品種の導入を勧めた。


上位等級多く糖度改  

温州ミカン樹冠上部摘果  

JAが隔年結果対策で試験

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 JA紀南指導部の柑橘班は、早生ミカンの隔年結果是正に向けて取り組んだ樹冠上部摘果試験の結果をまとめた。この摘果方法により、階級や等級、糖度も改善が見られ、表年にあたる今年の温州ミカンでマルチ被覆とともに樹冠上部摘果を生産者にすすめていく。
 試験は昨年の6月から12月にかけて田辺市芳養町の量大さんの2㌃の「宮川早生」で実施。
 試験樹は隔年結果をしている表回り樹で、6月10日に樹冠上部約4割の果実を全摘果、その後8月25日に部分マルチを被覆、10月6日には2S以下の果実を摘果した。一方、対照樹はマルチをせず、隔年結果の表回り樹、間引き摘果、仕上げ摘果とした。
 12月9日に果実品質を調査した結果、階級は対照樹より小玉の比率が高く、等級割合は、秀・優品で対照樹が49%なのに対し試験樹は62・9%と上回った。
 また、糖度11%以上の果実は、試験樹が83・5%だったのに対し、対照樹はわずか8・3%にとどまり、効果に大差が生じた。
 これらのことから「樹冠上部摘果は、階級は1階級程度下がるが、外観をいう秀・優の等級比率は良好で、さらにはマルチと併用することで糖度は高く改善される」と分かった。
 隔年結果是正に向けた樹冠上部摘果は、表回りの木で大きな効果があるため、JA紀南では6月上中旬で現地実施を生産者に呼びかけていく。  (指導部)

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