JA紀南広報誌

2004年9月号p35-02

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 小田 英子


第二の人生

今から7年前、私は長年勤めていた学校給食の仕事を退職しました。退職する前は、職場で同僚と楽しく仕事をし、また日曜日になれば、少しの畑で家庭菜園を行うといった日々を過ごしていました。
 退職後は、以前に比べ家庭菜園に力を入れるようになりましたが、できた野菜は主人と2人では食べきれません。ご近所さんにおすそ分けしようとしても、各家庭でも栽培されています。愛情を込めて育てた野菜ですが、食べきれない物はすべて畑に捨ててしまうしか方法がありませんでした。
 そんな時、いつも思い出したのは、いまは亡き実家の祖母のことでした。祖母は市場に出荷した残りの野菜を田辺市の稲成から江川まで売りに行き、帰りに新鮮な魚をよく買って来ては食べさせてくれました。その祖母のことを思うたびに、少しでも日置川で栽培した野菜を地元で販売する場所があればと思っていました。
 そんな矢先、当時のJA日置川の広報誌『ようすいろ』に〝直売所にこにこ市会員募集〟という記事が出ているのを見て「私が思っていたのはこれ!」と思い入会しました。
 入会してからは、作った野菜をそのまま畑に捨てずにすみ、出荷すればお客さまに喜んで買っていただけるので、野菜を作る励みにもなっています。
 近所の方の農作業を止めてはと思い、会話することもためらっていました。しかし、にこにこ市に出荷に行くことにより、生き生きとした会員さんとも出会え、お互いに野菜作りの話をし、知識を深められ、楽しく毎日を過ごしています。
 いまは約5反の田で主人と米作りをし、3畝ほどの畑では、にこにこ市に出荷するキュウリやトマト、オクラなどを栽培しています。どの品目も量は多くありませんが、種類は多い方が良いと思い栽培しています。
 どんな作物でも毎日の管理が大切だと思います。管理をよくしなければ虫がついたり、病気にもなります。天候にも左右され、いつ被害に遭うかも分かりません。せっかく作った物が、サルやイノシシに荒らされることもあります。いろんな意味で作物はデリケートな生き物なので、愛情を込めて育てなければ良い作物にならないと思います。
 私はいつも、農業は頭の使う仕事だと感じており、物忘れもする昨今、これが頭の体操になればと考えながら、できるだけ農薬散布を控えた安全で安心な野菜作りをしています。また、いろいろな野菜をどのように加工すればおいしくできるかを考えています。
 〝お礼肥〟という言葉があります。本当に農業というものは、作物に感謝の気持ちを持つことが大切だと思います。
 農業を始め、にこにこ市に入会したおかげで老後に希望を与えてもらい、これからも消費者に喜んでいただき、必要とされる野菜を作りたいと思っています。    (日置支所管内)

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